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軽犯罪法(けいはんざいほう、昭和23年5月1日法律第39号)は、さまざまな軽微な秩序違反行為に対して拘留科料の刑を定める日本法律である。

概要


騒音、虚偽申告、乞食、覗きなど33の行為が罪として定められている。公布時は34の行為であったが、第1条第21号(動物の虐待)がより厳罰化されたため、削除された(1年の懲役または100万円の罰金となった)。本法により警察犯処罰令(明治41年内務省令第16号)は廃止された。

濫用の禁止


国民の権利を必要以上に侵害しないため、あるいは、目的を逸脱して濫用される(例えば別件逮捕の手段として利用される)ことを防ぐために以下の規定がある。

罪として定められる行為


第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

  1. 人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者
  2. 正当な理由がなくて刃物鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
  3. 正当な理由がなくて合かぎのみガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
  4. 生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの
    • かつて、警察犯処罰令1条3号に規定されていた「浮浪罪」に相当する。
  5. 公共の会堂、劇場飲食店ダンスホールその他公共の娯楽場において、入場者に対して、又は汽車電車、乗合自動車、船舶飛行機その他公共の乗物の中で乗客に対して著しく粗野又は乱暴な言動で迷惑をかけた者
  6. 正当な理由がなくて他人の標灯又は街路その他公衆の通行し、若しくは集合する場所に設けられた灯火を消した者
  7. みだりに又はいかだを水路に放置し、その他水路の交通を妨げるような行為をした者
  8. 水害地震火事交通事故犯罪の発生その他の変事に際し、正当な理由がなく、現場に出入するについて公務員若しくはこれを援助する者の指示に従うことを拒み、又は公務員から援助を求められたのにかかわらずこれに応じなかった者
  9. 相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いた者
    • 火災に発展した場合は重過失失火罪になる。
  10. 相当の注意をしないで、銃砲又は火薬類、ボイラーその他の爆発する物を使用し、又はもてあそんだ者
  11. 相当の注意をしないで、他人の身体又は物件に害を及ぼす虞のある場所に物を投げ、注ぎ、又は発射した者
  12. 人畜に害を加える性癖のあることの明らかなその他の鳥獣類を正当な理由がなくて解放し、又はその監守を怠ってこれを逃がした者
  13. 公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待っている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者
  14. 公務員の制止をきかずに、人楽器ラジオなどの異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者
  15. 公職位階勲等学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章記章その他の標章若しくはこれらに似せて作った物を用いた者
  16. 虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者
    • 犯人を特定せず、単に「強盗に遭って金を盗られた」などと虚偽の申告をした場合。無実の第三者を犯人に仕立て上げて処罰を受けさせる目的だった場合は虚偽告訴罪となる
  17. 質入又は古物の売買若しくは交換に関する帳簿に、法令により記載すべき氏名住居職業その他の事項につき虚偽の申立をして不実の記載をさせた者
    • 質店や古物商が盗品と知っていて買い取ること(故買)も犯罪である。盗品等関与罪を参照。
  18. 自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者又は人の死体若しくは死胎のあることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかった者
  19. 正当な理由がなくて変死体又は死胎の現場を変えた者
  20. 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしりももその他身体の一部をみだりに露出した者
  21. 削除
  22. こじきをし、又はこじきをさせた者
  23. 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
    • 迷惑防止条例において、別に罰則が設けられている場合がある。
    • 「場所をひそかにのぞき見たもの」とあるように当該の場所が無人であっても違法となる。
  24. 公私の儀式に対して悪戯などでこれを妨害した者
  25. 、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者
  26. 街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者
  27. 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者
  28. 他人の進路に立ちふさがって、若しくはその身辺に群がって立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとった者
    • ストーカー規制法において、性的接触を目的とした場合について、別に罰則が設けられている。
  29. 他人の身体に対して害を加えることを共謀した者の誰かがその共謀に係る行為の予備行為をした場合における共謀者
  30. 人畜に対して犬その他の動物をけしかけ、又は若しくはを驚かせて逃げ走らせた者
  31. 他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者
  32. 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入った者
    • さく等に囲まれた建造物の敷地に侵入する行為は住居侵入罪に該当する。
  33. みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者
  34. 公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした者

脚注


関連項目



日本の法律
特別刑法
1948年の法



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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