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筑摩書房(ちくましょぼう)は、日本の大手出版社

沿革


1940年昭和15年)6月18日東京帝国大学出身の古田晁が創業。筑摩書房のマーク(空を截る鷹)のデザインは、同年、青山二郎作。名称は、古田の故郷である長野県東筑摩郡筑摩地村(現在は塩尻市に編入)にちなむ。

1942年昭和17年)に、臼井吉見中村光夫唐木順三を顧問として株式会社筑摩書房設立。戦後は、月刊誌『展望』を創刊、全集(『明治文学全集』、『現代日本文学大系』、『近代日本思想大系』、『現代日本思想大系』、『太宰治全集』、『井伏鱒二全集』、『中島敦全集』、『定本柳田国男集』など多数)。

とりわけ文学者を中心に個人全集は、増補改訂し繰り返し刊行するので、「全集の筑摩」と称されている。また現在まで古典・現代文の教科書を毎年出版している。なお月刊PR誌に『ちくま』がある。

1963年から1992年まで、古今東西の人文学術書を再刊・新訳した「筑摩叢書」を約360冊刊行した。『世界文学全集』は多くの類書シリーズを刊行。

特に『筑摩世界文学大系』は1971~98年に全91冊を、『世界古典文学全集』は『第1巻. ホメーロス』が、1964年に発刊以来、数度新版を刊行し、丸40年を経て2004年5月に、54冊目『第17巻 老子・荘子』が刊行完結した。

1970年に、和田芳恵『筑摩書房の三十年』(付.図書総目録、非売品)を出版した。

1978年7月12日、業績不振のため会社更生法の適用を申請。全集・教科書などの刊行は続けられた。

1985年よりちくま文庫、1992年よりちくま学芸文庫、1994年よりちくま新書を刊行開始した。2010年10月には筑摩選書が発足した(前年より不定期で双書シリーズを刊行しており、発展させた形である)。

再建以降のヒット作では、「ちくま文学の森」(1988年)、赤瀬川原平「老人力」(1998年)などを出している。

1991年2月に創立50周年記念出版で『筑摩書房図書総目録 1940-1990』が出版された。

2011年3月に創立70周年記念出版として、筑摩選書版で上記の和田『-三十年』が復刊し、併せて永江朗『筑摩書房 それからの四十年 1970-2010』が刊行された。

倒産・再建について


2007年平成19年)3月、出版関係者の集いの『本の会』主催の講演会(東京・文京区本郷)にて、社長の菊池明郎(倒産時は入社7年目の営業マン)が、『筑摩書房はどのようにして復活したのか、倒産30年の軌跡』で詳細な経緯を語った。

  • 『損をしてもいいから、良い本を出そう』が創業精神であったため、経営がピンチになるたびに、創業者の古田晁が自分の財産である山林を売って、赤字を補填してきた。
  • 倒産時まで、社長が労働組合を恐れ、ボーナスを大盤振舞いし、放漫経営をしていた。
  • 再建のために、『マーケティング重視への転換。実売率を高めていく』の方針をたてた。
  • まずは、書店からの売上スリップでデータを取り、分析、解析。やがて、POSデータの活用も行った。また、解析のためのシステムの開発も十分に行い、同業他社に比べ、早くから社内LANを導入し、全員がパソコンを持った。埼玉にある倉庫にも無線LANを使い、返品、入庫のデータを飛ばすなどした。
  • ロバート・キヨサキ著『金持ち父さん 貧乏父さん』は、シリーズとして250万部以上が売れるベストセラーになった。

関係者による書籍


  • 菊池明郎 『営業と経営から見た筑摩書房 出版人に聞く〈7〉』 論創社 2011年11月、聞き手小田光雄による回想と検証
  • 柏原成光 『本とわたしと筑摩書房』 パロル舎 2009年6月
  • 同 『黒衣の面目 編集の現場から』  風濤社 1997年

著者は1996~99年に社長に就いていた(菊池は後任)。倒産・再建の経緯や、関連人物を回想している。

  • 田中達治 『どすこい出版流通 筑摩書房「蔵前新刊どすこい」営業部通信 1999-2007』 ポット出版、2008年7月

著者(1950~2007年)は菊池の後任の営業部長で取締役にも就いたが、2007年7月にガンで退任し数か月後に病没した。

著者は専務取締役を経て顧問、多くのマスメディアに登場。詳しい内情が記されているが、柏原や菊池とは(露骨なメディア出演や、出版路線などをめぐり)対立している。

  • (近年の)古田の伝記は、塩澤実信 『古田晁伝説 人間ドキュメント』 河出書房新社 2003年
  • 創業時の回想などは、臼井吉見編 『そのひと ある出版者の肖像』 径書房 1980年
    • 元版 井上達三編 『回想の古田晁』 筑摩書房、1974年 非売品

本社


〒111-8755 東京都台東区蔵前二丁目5番3号神田神保町の隣の神田小川町に小さな建物の本社があったが、そこを1988年に売却し、蔵前に移転。もとは貸しビルだったが買い取り本社にした。川本三郎がエッセイの中で、編集者たちが神保町という偉大な図書館から離れてしまったために、色々と苦労させられている旨が述べられている。

サービスセンターは、大宮市(現在さいたま市北区櫛引町)にある。物流の拠点で受注・出荷・改装を受け持つ。刊行書籍の奥付に「在庫の問い合わせなどはそちらに連絡して下さい」との、ただし書きがある。なお上尾市に改装センター倉庫がある。

主な書籍シリーズ


関連項目


外部リンク



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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