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石器(せっき)とは、を材料として、それを加工して製作した道具の総称である。主として手の延長としての石製の道具を指し、石碑や墓石のようなものは含めない。縄文時代に儀式に使用されたと考えられる石棒を広義の石器に含めることがある。

分類


石器は、加工方法によって大きく2種類に区分される。石同士あるいは、道具を使用して打ち叩くことによって、剥片をはいで道具として使用するのにかなった形に成形する打製石器(だせいせっき)と、刃を鋭くするため、また儀式に使用するために磨き上げた磨製石器(ませいせっき)とがある。

打製石器


打製石器は人類の最も古い道具の一つと考えられ、アウストラロピテクスが使っていたとする説もある。他の動物でも石を道具として使用する例はあるが、加工するのは人間だけである。ただし、チンパンジーでそれに近い例があるともいう。

オルドワン型石器群


オルドワン型石器群は、ヒト科人類による最古の石器群といわれている東アフリカのゴナ遺跡から発見された250万年前の石器が世界最古とされている堤隆「石器」 小林達雄編『考古学ハンドブック』新書館 2007年1月 101ページ。礫の一部を打撃して造るチョッパー・チョッピングツールを主体とする。この石器群は、ケニアトゥルカナ湖東海岸の諸遺跡やタンザニアオルドヴァイ峡谷の遺跡などで出土している。因みに、この石器の担い手はホモ・ハビリスもしくは頑丈型猿人と推測されている。

磨製石器


磨製石器はJ.ラボックによって新石器時代の指標とされたが、実際には中石器時代に当たる紀元前9000年に北西ヨーロッパ西アジアで局部磨製石器が出現している。

日本旧石器時代の局部磨製石斧


また、日本では旧石器時代である3万〜4万年前のものと推定される局部磨製石斧が、群馬県岩宿遺跡栃木県磯山遺跡長野県杉久保遺跡東京武蔵野台地栗原遺跡千葉県三里塚55地点遺跡などから出土し、旧時代石器に磨製石器が存在したことが明らかになった小田静夫「旧石器時代の磨製石斧」小田静夫によれば、日本の旧石器文化の磨製石斧は3~4万年前に集中し、その後は草創期にならないと出現しないが、現在、世界最古の磨製石斧とされる小田静夫「磨製石斧」『図解 日本の人類遺跡』東京大学出版会 1992年 20-21頁佐原真『斧の文化史』UP考古学選書6 東京大学出版会 1994年

石器の種類


石核 () : 石器を制作した時に残った石材
剥片 () : 石器を制作した時に発生した欠片
石刃、ブレード () : 後期旧石器時代に特徴的な石器の素材。石核から大量の石刃を創り出し、これを加工して石器にする。日本では後期旧石器時代の最終末期に沖縄を除き列島全域に広がった細石刃がある。
石核石器 () : 素材となる石(母岩)を打ち割り、形を整え、刃をつけた石器
剥片石器 () : 母岩から破片(剥片)を割り取り(剝離)、剥片の形を整え、割れ目を刃に利用した石器
礫器 () : もっとも原始的な石器の一つである。
チョッパー () : 礫の一部に片面から数回の打撃によって打ち欠いて刃をつけた石器。片刃の礫器とも呼ばれる。刃の断面の角度は20°~30°くらいが多い。
チョッピング・トゥール () : 礫の一部に両面から交互に打撃を加えて、表面を剥離させジグザグ状の刃をつけた石器。
握斧、握槌、ハンド・アックス () : 礫の全体を両面から打ち欠いて刃をつけた石器。上端が尖る形状が多く、舌状、フィクロン形、槍先形あるいはミコク形、卵形、心臓形、アーモンド形などと呼称される場合がある。

尖頭器 () : 先端を鋭く尖らせた石器。槍先に付けたと考えられる。細長く鋭く尖る形のものが典型的だが、それ以外にも多くの種類の尖頭器がある。石槍とも言う。斜軸尖頭器という種類は、狩猟用の槍先とされ、中期旧石器時代(約12、13万年前~約3万年前、旧人の時代)の指標である。岩手県宮守村(遠野市に併合)金取遺跡から出土している。
削器、スクレーパー () : F.ボルドによると剥片の先端部分を打ち欠いて刃をつけた石器。
掻器、端削器、エンド・スクレーパー () :
削器、側削器、サイド・スクレーパー () :

彫器、刻器、グレーバー、ビュラン (, )
バックド=ブレード () :
石錐 : 錐状に尖らせた石器。皮革などに穴をあけるために使用したと思われる。
ナイフ形石器 () : 石刃から創り出した石器の一種。東アジアの他の地域には見られない日本独自の石器である。後期旧石器時代の中盤から後半にかけて発達した。地方によって様々な型式が見られる
ノッチ、抉入石器 ()
尖頭器 : 木葉形で東日本を中心に発達した。ナイフ形石器に後続する主要石器である。
細石器 ()
石匙 : 携帯に便利なように工夫された、日本の石器。
石斧 : 英米では刃が柄と平行なものを平行刃斧 、刃が柄と直交しているものを直交刃斧 と呼ぶ。後者は比較的小型軽量で、片手で使えるものを指すことが多い。
局部磨製石斧
石篦
石鏃
石銛
磨石
凹石
石皿
台形様石器 : 後期旧石器時代の初め頃に出現する打製石器。九州から北海道まで広範囲に分布する。台形状または長方形状に仕上げた小型の剥片石器。柄を付けて付けて刺突具または切削器に使用したと推定される。台形様石器の一部はペン先形をしており、槍先として使用されたものと推定されている。
石棒
男性器を石で象った推測されるもので、女性を表現したとみられる土偶と対照的なもので、祭祀のための縄文時代の遺物である。その出現は前期初頭である。中期になって類例が増える。出土範囲は、中部高地を中心に関東地方西部から北陸地方までである。造形は、出現時には小さな川原石を細長く整形したものであったが、中期になると頭部に鍔(つば)を巡らせ、その上下に円や三角形の文様を彫り込むものが出現している。この時期に長さが1メートルを超えるものも出現している。その背景として、縄文社会の祭祀が集団化し、集落から地域へと大規模化していったことが考えられる。原田昌幸「石棒、玉類などの分布からみた交易」(独立行政法人文化財研究所・奈良文化財研究所監修『日本の考古学 -ドイツで開催された「曙光の時代」展』小学館 2005年)67-68ページ

石材


日本列島の旧石器時代に用いられた石材の代表的なものは、黒曜石硬質頁岩サヌカイトなどがあげられる。

脚注

出典


参考文献


  • 永原慶二監修、石上栄一他編集『岩波 日本史辞典』岩波書店 1999年 ISBN 4-00-080093-0
  • 小林達雄編『考古学ハンドブック』新書館 2007年1月 ISBN 978-4-403-25088-0

関連項目



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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