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火力発電(かりょくはつでん)は、石油・石炭・天然ガス・廃棄物などの燃料の反応熱エネルギーの電力への変換、すなわち発電の方法の一つである。
火力発電を行うための設備を有し、火力発電を専門に行う施設を火力発電所という。
概要
原理
石油や天然ガスなどをボイラーで燃やして得られる熱を利用して水蒸気を発生させ、タービンを回転させる。
燃料
日本国内では、1970年代前半には石油による発電が大半を占めていたが、オイルショック以降、他の燃料への代替が進み、石炭や天然ガスによる発電量が増加した。さらに、90年代後半の電力自由化によって価格の安い石炭にシフトする傾向がある。2004年度では、火力発電の内訳は石炭と天然ガスがそれぞれ40%強、石油は15%弱となっている。
また発電コストは、2011年12月13日の政府の国家戦略室コスト検証委員会報告書案によると、2010年時点で天然ガスと石炭火力が約10円/kwhであるのに対して、石油火力は近年の原油高により37円/kwhとソーラー発電並みに高くなった。ちなみに原子力発電コストは天然ガスや石炭火力と同程度の約10円/kwhである。発電コストに関しては原子力発電の「政府内閣府による試算」の項を参照のこと。
近年の原油高によって温室効果ガスの排出量が最も多い石炭への依存度は高くなっており、地球温暖化対策の足かせになっているという懸念もある。
その一方で、原子力発電や自然エネルギーに比べて出力調整が容易であるため、安価に大規模な蓄電を行えない現段階では昼夜間の電力需給調整に欠かせない存在である。現在、日本における発電電力量の約70%を火力発電が担っているEDMC エネルギー・経済統計要覧(2010年版)。
石炭火力発電に関して、温室効果ガスの問題が一番大きく、大気汚染を引き起こす物質を排気ガスの中からある程度は除去する技術が普及しているといっても、公害問題は克服されていないCO2ゼロ、放射能ゼロの新「石炭発電」【オピニオン】石炭は核よりも危ない。また、石炭を燃焼させた後の灰はセメントの原料として外部に売却されている石炭火力発電の石炭に関する放射線規制免除について。なお、石炭に含まれる放射性物質による放射能に関しては、平時の原子力発電よりも多く排出されているCoal Ash Is More Radioactive than Nuclear Waste。
長所と短所
長所
- 自然エネルギーと違って安定した品質の高い電力を供給可能。
- 2012年現在、発電単価は太陽光発電より安く、発電所さえ建てれば供給は随意拡大可能。
- ガスタービンは季節/時間的負荷変動に応じた運転可能(石炭火力・ガスタービン廃熱発電は夜でも火は落せず半出力)。
- 水力発電などの自然エネルギーに比べ、施設自体の環境負荷は低い。
- 万一、事故を起こしても、被害は局所的なものにとどまる。但し台風などがオイルタンク破壊と結びつく場合、生態破壊や土壌汚染などは他の発電に比べて、大きく長期的なものになる(その災害の規模に依存する)。
短所
- CO2や、燃料の種類によってはNOx・SOx等を多量に排出する。
- 稼動にあたり、大量の化石燃料を必要とし、化石燃料が値上がりすると、電気代値上がりで膨大な国民損失を発生させるリスクがある。
- 国内の投資・雇用誘発効果が低く、外国にエネルギー供給の急所を握られる
分類
- 汽力発電
- 燃料の燃焼で放出される化学エネルギーで水蒸気を作り、蒸気タービンを回転させることによる発電。
- なお単に汽力発電と言った場合には、原子力発電・地熱発電・太陽熱発電も含まれる。
- 内燃力発電
- 燃料の燃焼で放出される化学エネルギーで内燃機関を回すことによる発電。始動性が良く、非常用電源・携行用電源・電源車などとしても用いられる。
- コンバインドサイクル発電
- 内燃力発電の排熱で汽力発電も行う、複合的な火力発電。熱効率が高く、始動性も良い。
- MHD発電
- 高温のプラズマを発生させ、ファラデーの法則を利用して発電する。次世代の技術として開発が進められている。
- 燃料電池発電
- 電気化学反応を利用する。大型化や追随性の問題があるが、小型の発電には導入されつつある。
脚注
関連項目
外部リンク
- 発電のしくみ 火力発電 - 電気事業連合会
- 火力発電について - 関西電力
- 火力発電について - 中部電力