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澤井 裕(さわい ゆたか、1930年2月15日 - 2003年)は、日本の民法学者関西大学名誉教授法学博士大阪大学、1971年)。大阪府出身。

人物


長らく関西大学法学部の看板教授であり、著書・論文をあわせると100を超える。澤井ゼミからは法曹をはじめとする有為なる人材を輩出。澤井ゼミ出身の民法研究者は存在するが、自身が大学院(M・D)において指導教授として研究者志望の人間をとったことはなく、いわゆる直弟子にあたる人間は存在しない。

学説


研究領域は、不法行為法を中心としつつも債権法全般、物権法にも及ぶ。後掲「公害の私法的救済」は公害問題が社会問題化する以前にものされた先駆的な研究書である。

また、隣地通行権における平井との論争は有名である。

解釈における基本姿勢は判例・通説を基調としたため、実務家受けする安定感ある学説であったと評価することができよう。

略歴


1930年大阪市に生まれる。大阪府立豊中中学(現・豊中高校)、旧制浪速高校を経て大阪大学医学部に入学。その後、法学部に転部し同学部を卒業し大阪大学大学院修士課程に進学、修了。修士修了後、関西大学法学部助手として採用され、順調に講師・助教授・教授と昇進する。関西大学在職時には学部長をつとめたことや、明石三郎教授が学長であった際、学長コーナーたる学生部長をつとめたこともある。また、司法試験受験指導にも精力を傾注し長らく関西大学司法試験受験研究会会長として司法試験受験生を激励していた。1995年3月をもって関西大学を退職し、関西大学名誉教授となる。その後、福山平成大学教授となる。73歳で逝去。

エピソード


伝統的な研究者であり、自分にも他者にも厳しい人間であった。例えば、講義レベルは学生レベルに合わせ易しいことを教えて学生人気を取るようなことはなく自己の研究レベルをふまえた、判例・学説、外国法まで言及するかなり高度な内容を提供していた。演習にあっては、若かりし頃いい加減な発言をする学生に灰皿を飛ばしたという逸話さえあるほど峻烈きわまりない指導であったと指摘する向きもある(肺結核の後遺症で当人は大の嫌煙家だった)。また、教授自身体が丈夫ではなかった中で上記のような輝かしい業績を残せたのは病身の身に鞭を打って研究に励んでいたことが伺われる。このように厳しい人間ではあるが、同時に、大阪人らしく笑いを解するところがあったり、情に厚いところもあったのではないかと指摘する者もある。

著書


  • 『公害の私法的救済』(一粒社、1969年)
  • 『隣地通行権裁判例の研究』(一粒社、1971年)
  • 『大阪空港裁判の展開』(ミネルヴァ書房、1974年)
  • 『公害差止の法理』(日本評論社、1976年)
  • 『隣地通行権』「叢書民法総合判例研究4巻」(一粒社、1978年)
  • 『債権法20講』(玄文社)
  • 『テキストブック債権総論』(有斐閣、1985年)
  • 『テキストブック事務管理・不当利得・不法行為』(有斐閣、1993年)


日本の法学者
民法学者
関西大学の教員
福山平成大学の教員
大阪市出身の人物
1930年生
2003年没



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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