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注意義務(ちゅういぎむ)とは、ある行為をする際に一定の注意を払う義務をいう。

特定の行為を行ったこと、あるいは、行わなかったことが、一般的な用語法で「不注意」であった場合に、それが法律上の責任を負うことに結びつくためには、当該対象者が注意義務を負っていたかどうか、が問題とされる。

日本法上の類型

民法上の注意義務


  • 善良な管理者の注意義務(善管注意義務民法400条) - 職業や生活状況に応じ、要求される注意義務で原則的な注意義務である。
  • :義務を欠いた場合の過失を抽象的過失という
  • :著しく欠いた場合を重過失、多少なりとも欠いた場合を軽過失という。
  • 自己の財産におけると同一の注意義務(固有財産におけるのと同一の注意義務)
  • :義務を欠いた場合の過失を具体的過失という。

刑法上の注意義務


刑法における過失の本質は、注意義務違反であるとされる(新過失論においても、結果回避義務違反を「客観的注意義務違反」とよぶことがある)。

会社法上の取締役の注意義務


  • この節で、会社法は条数のみ記載する。

概説


取締役と会社との関係は委任により規律される(330条)ため、取締役は会社に対し善管注意義務を負う(民法644条準用)。具体的にはコンプライアンス義務が挙げられる。

忠実義務


取締役は会社に対し、善管注意義務のみならず忠実義務を負担する(355条)。忠実義務の内容とは、会社の利益を犠牲にして自己の利益を図ってはならない義務と説明される。忠実義務と善管注意義務の関係については、言い換えただけと考える同質説(鈴木竹雄河本一郎森本滋八幡製鉄事件(最大判昭和45年6月24日民集24巻6号625頁))と、取締役に課せられた独立の義務と考える異質説(田中誠二前田庸北沢正啓)がある。異質説に立つ場合、利益相反取引の禁止(356条1項2号・3号)、競業避止義務(356条1項1号)、報告義務(357条)、お手盛り禁止(報酬規制、361条)などは、忠実義務の具体化である。従来は同質説が通説的であったが、現在は異質説が有力化している。

ビジネス・ジャッジメントルール


経営判断の原則ともいう。取締役が業務執行に関する意思決定の際に適切な情報収集と適切な意思決定プロセスを経たと判断されるときには、結果として会社に損害が発生したとしても善管注意義務違反に問わないとする原則。アメリカ合衆国判例法として発展し、近年の日本の裁判例にも影響を与えているといわれる。

関連項目


参考文献


  • 森田章「取締役・執行役の善管注意義務と忠実義務」 (『会社法の争点』(有斐閣、2009年)138頁)


民法
刑法
会社法



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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