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政党(せいとう)とは、共通の政治的目的を持つ者によって組織される団体である。18世紀のイギリス下院議員エドマンド・バークによれば名誉や徳目による結合であり、私利私欲に基づく人間集団(徒党)ではない。

概説


政治において政策や主張に共通点のある者同士が集まって、意見の集約と統一された政策の形成を図り、政策の実現に向けての活動として、政権を担当もしくは目標とし、議会の運営の基本単位になるなどを行う組織または団体のことを指す。公職者を送ることを手段とするかどうかによって、様々な圧力団体利益団体)や市民団体と区別されるはずだが、実際には明確な線引きは不可能である。日本では法的には労働組合である日本労働組合総連合会や、宗教団体である創価学会参議院に議席を保有していたことがある(連合の会公明政治連盟)し、生活協同組合からも地方議員が出ている(東京・生活者ネットワークなど全国市民政治ネットワークに加盟する諸組織)。

政党の成立


  • 近代政党の起源
  • 議会が存在しなかったり選挙権が制限されていたで、政治体制の改革や革命を企てた政治結社にある。
  • 初期の議会にあり、議会運営のための派閥が一時的なものから恒久的な組織に発達した。

議員である有力者が議会運営のために作った名望家政党幹部政党)が初期の政党である。普通選挙の採用にともない増加した選挙民との結合が困難になると、議会外に多くの党員を持つ大衆政党が出現した。

名望家政党と大衆政党の二つは、上記の政党の二つの起源と重なっている。新しい大衆政党の挑戦を受けて、以前の名望家政党も大衆政党に脱皮した。保守主義自由主義の政党が名望家政党の形態をとることが多く、社会民主主義共産主義の政党が大衆政党の形態をとることが多かった(各国の政党の流れに関しては政党の歴史において)。

現代の政党


マスメディアの発達によって著名な政治家・党の意見が直接選挙民に届くようになったため、党組織の役割は低下し、大衆政党もふるわなくなった。人々の関心が国政の長たる首相・大統領とそれら公職への候補個人に集中することで、政党の力はさらに低下したとする観測がある。他にも様々な政党衰退論がある。だが、政党衰退に導くような現象が社会に浸透して数十年が経過した現在でも、理論的には起きるはずの選挙結果の流動化が起こっていない。先進民主主義国の多数の政党システムは大きな変化なしに推移している。このことを、社会基盤を失った政党が、ただ選挙市場で既得権をもった独占者として生き延びているとして説明するのが、カルテル政党論である。

政党の法制化と法律上の政党


世論と法律の政党に対する態度は、政党に対する反感、政党の容認、政党の法制化へと移り変わってきた。政党の法制化への重要な一歩は、20世紀初めに比例代表制の導入で踏み出された。この制度は、政党の存在を立候補の前提としている厳密には政党名簿比例代表のみが政党の存在を前提としている。同じく比例代表制に類別される制度でも単記移譲式投票(STV)は必ずしも政党の存在を前提としない。このため、STVを採用しているアイルランドの下院選挙においては、それなりの無所属議員が選出されている。

ついで20世紀後半に、政治資金の規制や助成の制度が、政党の内部運営にまで踏み込む法制化をもたらした。法制化には、政党活動の奨励と政党に対する国家干渉の両面がある。制度の先鞭をつけたドイツで、この状態は政党国家モデルとして研究された。政党による国家支配は(たとえば国民の意思より政党の意思が優越するというような意味で)単純に実現しているわけではない。しかし、法制化の恩恵を既成政党に限ることで、新興政党の挑戦を国家の力で妨げる側面はある。

日本における政党

法律上の要件


日本では、公職選挙法政治資金規正法政党助成法政党法人格付与法)でそれぞれ似ているが微妙に異なる要件を定めている。すなわち、「'''政治団体のうち、所属する国会議員(衆議院議員又は参議院議員)を5人以上有するものであるか、近い国政選挙近い国政選挙とは、

  1. 前回の衆議院総選挙
  2. 前回の参議院通常選挙
  3. 前々回の参議院通常選挙(ただし、公職選挙法上はカウント対象外)

のいずれかを指す。

政党要件における国会議員の資格は衆議院解散日から選挙投票日までの前衆議院議員、任期満了後から選挙投票日までの国会議員も含む。で全国を通して2%以上の得票(選挙区比例代表区いずれか)を得たもの政党助成法上はさらに国会議員を有することを要件としている政党'''と定めている。

かといって、小政党・地方政党が法律に従って現実の政党概念や政党分析、政党システム分析から追放されるわけではない。しかし、こと国政選挙に関していえば、政党とその他の政治団体・無所属候補の扱いの差は大きい。

たとえば、法律で認められたポスター・ビラ枚数や選挙カーの台数など、公職選挙法上の政党には候補者とは別枠で数が認められているなどである。その他にも、政党以外の候補は
以下の点で法律上圧倒的に不利な条件で選挙運動を強いられている。

  • 総選挙及び衆議院・参議院議員補欠選挙では選挙区で政見放送に出演できない
  • 総選挙で比例区の重複立候補が認められていない
  • 政党は比例区に1人からでも候補を立てられるが、政治団体は衆院では定数の10分の2以上、参院では10人以上(選挙区と含めて)候補を立てなければならない
  • 企業法人)からの政治献金を受け取ることができない(政党以外の政治団体は、個人献金のみ受け取れる)
  • 比例区の選挙において、政党は既存政党と同一・類似の略称が使用できるが、政治団体は既存政党と同一・類似の略称は使用できない

2005年(平成17年)の第44回総選挙後、選挙無効の訴訟が起こされた。この訴訟で原告は、一票の格差の他、公職選挙法における政党候補と非政党候補の格差は憲法14条1項の法の下の平等に反し違憲であると主張した。しかし、東京高裁で原告は全面敗訴。2007年(平成19年)6月13日最高裁判所大法廷島田仁郎裁判長)は12対3で原告の上告を棄却し、高裁判決が確定した(2005年衆院選合憲判決「」。判決では、「政党は、議会制民主主義を支える不可欠の要素であって、国民の政治意思を形成する最も有力な媒体である」から、非政党候補との格差は「合理的理由に基づくと認められる差異」の範囲内であるとした。また、衆議院小選挙区における政見放送の非政党候補の締め出しについては、「選挙制度を政策本位、政党本位のものとするという合理性を有する立法目的によるもの」と判断した。

その他、政治資金規正法上の政党に該当すると団体献金が受けられるようになる等の点で差異があり、政党助成法上の政党になれば政党法人格付与法に基づき法人格の取得が可能になり政党助成法上の政党以外の政治団体は基本的には人格なき社団であるが、他の法令に基づき法人格を有している例がある(自民党の政治資金団体である財団法人国民政治協会など)、国から政党交付金が受けられるようになるなど、他の政治団体と異なる扱いがなされている。

与党と野党


日本の政党は与党(よとう)と野党(やとう)に大別される。帝国議会初期において、吏党民党とがあり、古くは吏党=与党、民党=野党と認識されてきたが、実際には吏党とは、民党の推進する自由民権運動に批判的な守旧政党を指すものであって、藩閥政府と価値観が近いという以上の意味はない。

与党


行政を担当する政党。「行政府に与(くみ)する政党」であることに由来する。行政府に自党から閣僚を選出し、行政権の行使に責任を持つ。行政府に閣僚を選出していないものの、与党の政策協議に参加し、行政権の行使に責任を持つ「閣外協力政党」も与党として定義される。

野党


行政を担当していない政党。「政府から離れた在野の政党」であることに由来する。与党(政府)の政策に反対、または対案を立てたりすることが多いことから「反対党」と呼ばれることもある。また、岡田克也は、民主党代表在職中「政権準備党」という呼び名を考案するも、定着しなかった。なお、野党でありながら与党と行動をともにする政党を、「」の文字が五十音や行の「や・ゆ・よ」の「」と「」の間にあり、『や党』と『よ党』の間にいると揶揄して「ゆ党」(癒党)と呼ぶこともある。

現時点での勢力


(注釈の無い政党は何れも国会議員5人以上所属の政党要件を満たす)

日本の閣僚輩出中の政党
*民主党
*国民新党
与党と閣外協力している政党
*新党大地・真民主:与党である民主党と閣外協力。

日本の野党
*自由民主党(自民党)
*公明党
*みんなの党
*日本共産党(共産党)
*社会民主党(社民党)
*新党きづな
*たちあがれ日本
*新党改革2010年(平成22年)参院選・比例区得票率2%以上の要件を満たしている。
*新党日本2007年(平成19年)参院選では比例区で得票率2%以上の要件を満たしている。2009年(平成21年)衆院選では国会議員5人以上及び小選挙区・比例区共に得票率2%に達していない。2010年(平成22年)参院選では候補者を擁立していない。以上により、2007年(平成19年)改選の参議院議員の任期が切れる2013年(平成25年)までは政治資金規正法・政党助成法上では政党として扱われる。

国会に議員を有する政治団体
*沖縄社会大衆党(社大党):政党要件を満たしていない。所属議員は無所属(各派に属しない議員)で活動しているが、与党である民主党・国民新党と野党である共産党・社民党の双方(選挙当時は4党のいずれも野党であった)から推薦を受けている。
*減税日本:政党要件を満たしていない。

その他


外国における政党


党議拘束阻止条項政党交付金などが国によって違う。

脚注


文献情報


  • Burke, E. 1839. Thoughts on the cause of the present discontents(1770), in The Works of Edmund Burke, vol. 1, Boston: Little, Brown & Co.
  • Dahl, R., ed. 1966. Political Oppositions in Western Democracies. New Haven: Yale Univ. Press.
  • Downs, A. 1957. An Economic Theory of Democracy. New York: Harper & Row.
  • Duverger, M. 1954. Political parties. New York: john Wiley.
  • Katz, R. S. 1980. A Theory of Parties and Electoral Systems. Baltimore: Johns Hopkins Univ. Press.
  • Katz, R. S. 1987. Party Government: European and American Experiences. Berlin: de Gruyter.
  • Key, V. O. 1964. Politics, Parties, and Pressure Groups. New York: Thomas Y. Crowell.
  • Lawson, K., ed. 1980. Political Parties and Linkage: A Comparative perspective. New Haven: Yale Univ. Press.
  • Lipset, S. and Rokkan, S., eds. 1967. Party Systems and Voter Alignments. New York: Free Press.
  • Madison, J., Hamilton, A., Hamilton, J., and Jay, J., eds. The Federalist Papers. New York: New American Library.
  • Maisel, L., and Cooper, J. eds. 1978. Political Parties: Development and Decay. Beverly Hills: Sage Publications.
  • Panebianco, A. 1988. Political Party: Organization and Power. New York: Cambridge Univ. Press.
    • パーネビアンコ著、 村上信一郎訳『政党 組織と権力』ミネルヴァ書房、2005年
  • Putnam, R. D. 1976. The Comparative Study of Political Elites. Englewood Cliffs, N.J.: Prentice-Hall.
  • Sartori, G. 1976. Parties and Party Systems. New York: Cambridge Univ. Press.
    • サルトーリ著、岡沢憲芙、川野秀之訳『現代政党学 政党システム論の分析枠組み』早稲田大学出版部、1980年、普及版2000年
  • Schattschneider, E. E. 1942. Party Government. New York: Farrar & Rinehart.
  • Schumpeter, J. 1942. Capitalism, Socialism, and Democracy. new York: Harper & Row.
  • Tocqueville, A. de 1969. Democracy in America. Garden City, New York: Anchor Books.
  • Weber, M. 1946. Politics as a vocation, in H. Gerth and C. W. Mills eds. From Max Weber: Essays in Sociology. New York: Oxford Univ. Press.
  • Weiner, M. 1967. Party Building in a New Nation: The Indian National Congress. Chicago: Univ. of Chicago Press.

関連項目



外部リンク



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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