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年齢計算ニ関スル法律(ねんれいけいさんにかんするほうりつ、明治35年12月2日法律第50号)とは、日本の現行法律の一つであり、年齢の計算方法を定める。民法の附属法の一つに位置付けられる。明治35年12月22日施行。

構成


本法は、以下の通り全3項(全54文字)という極めて簡素なものである。

  • 年齢は出生の日より之を起算す
  • 民法第143条の規定は年齢の計算に之を準用す
  • 明治6年第36号布告は之を廃止す

内容



日、週、月又は年によって期間を定める場合、その初日が午前0時を過ぎて始まるときは、その翌日を起算日として期間計算をするのが原則(初日不算入の原則)である(民法138条、140条)。これに対し、本法では、年齢計算の場合には初日不算入の原則を採用しない旨を定めており、本法は、期間計算に関する特別法に当たる。また、民法143条の準用によって、年齢計算に関して、日数ではなく又はにより期間(年齢)を数える「暦法的計算方法」を採用することにより、満了日(加齢日)は起算日(初日=出生日)に応当する日(誕生日)の前日であることになる。

2月29日生まれの者の年齢は、平・閏年を問わず、2月28日の終了時に1歳を加える。閏年の場合は、民法143条2項本文により「起算日の応当する日の前日」が28日となるが、平年の場合は、起算日の応当日となる2月29日が存在しないため、民法143条2項ただし書きの規定により2月28日の満了をもって加齢することになる。

本法の運用


前述の通り、年齢は誕生日の前日をもって満了する。年齢規制の条文を持つ法令は多数あるが、それらがいつから適用されるのかは各条文における単位による。

就学


学校教育法では、第17条第1項において「保護者は、子の満6歳に達したの翌日以後における最初の学年の初めから、(略)これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。」と定めている。また、「小学校の学年は、4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。」(学校教育法施行規則第59条)ので、4月1日に生まれた者は3月31日までに生まれた者と同じ学年となる(いわゆる「早生まれ」)。例えば学年2009年4月1日から始まる場合、2003年4月1日生まれの者は2009年3月31日に満6歳に達するので、2009年4月から小学校等に就学する法制執務コラム集「4月1日生まれの子どもは早生まれ?」

選挙権


選挙権を有するのは「年齢満20年以上の者」である(公職選挙法9条1項、2項)ところ、選挙管理委員会による運用によれば、選挙期日の翌日が20歳の誕生日である場合、その選挙への投票は可能である。例えば選挙期日が2009年8月30日の場合、1989年8月31日生まれの者も投票できる。これは、公職選挙法10条2項において被選挙権に関する年齢は「選挙の期日により算定する」とされており、この規定は選挙権についても類推適用されると解されるため、同法9条の「満20年以上」というのは「満20年に達したとき」と異なり満20年に達する日(誕生日の前日)が終了したことを必要とせず、満20年に達する日(20歳の誕生日の前日)全体が選挙権取得の日に当たるものと解釈されているからであるこのことを明らかにした裁判例として、大阪高等裁判所昭和54年11月22日判決・判例情報。同判決に対する上告は最高裁判所昭和55年8月26日判決により棄却され、高裁判決が確定した。。この点については、大きな選挙の際にテレビ等で「19歳で投票」と銘打って紹介される場合があるが、それは時刻単位での見方であり、上記のように公職選挙法上は日単位で扱っているので矛盾はない。なお、不在者投票については、選挙期日現在で選挙権を有していればよいが、期日前投票については投票の当日に選挙権を有していなければ投票することができない(公職選挙法43条)。

後期高齢者医療被保険者


高齢者の医療の確保に関する法律」(昭和57年法律第80号)では、第52条において「(略)後期高齢者医療の被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日(略)から、その資格を取得する。」とし、第1号で「(略)75歳に達したとき。」と規定している。「75歳に達したとき」は75歳の誕生日前日午後12時のため、「該当するに至った」は本来75歳の誕生日前日となるところ、同法を所管する厚生労働省では、同法は「年齢計算ニ関スル法律」を適用しておらず、第52条でいう「該当するに至った日」とは、第1号の場合「75歳の誕生日当日」と解釈している高齢者医療制度に関するQ&A 追加I(問58)。行政が特別法なしで法律を適用しないことが許されるのかどうか民法138条「期間の計算方法は、法令(略)に特別の定めがある場合(略)を除き、この章(138条〜143条)の規定に従う。」。は別として、現実には各広域連合では同省のこの見解に基づき「75歳の誕生日当日」をもって被保険者資格を取得するという運用を行っている。

定額給付金加算対象者


2009年に実施された定額給付金では、基準(2009年2月1日)現在で65歳以上の者及び18歳以下の者には8,000円が加算された。この場合、1990年2月2日生まれの者は、2009年2月1日午後12時で19歳に達するため、基準日現在19歳であり、本来加算対象には含まれないところ、総務省は「基準日の大部分を18歳として過ごしている」との理由で、これも「18歳以下の者」に含めることとした。一方、基準日の大部分を64歳として過ごしている1944年2月2日生まれの者は、「65歳以上の者」に含めている定額給付金給付事業に係る留意事項について(最終ページQ&A)

年齢計算に関する国会質問


民主党平野博文は「学年や年度は4月1日から始まるのに就学の年齢が4月2日を基準にしているのは一般常識と異なっているのではないか。また、前記のような選挙権についての取扱いにも問題があるのではないか」と衆議院で質問した平成14年7月25日提出 質問第154号「年齢の計算に関する質問主意書」。これに対し、政府は「年齢計算ニ関スル法律はある者の年齢はその者の誕生日の前日の午後12時に加算されるものとしているのであって、このことは社会における常識と異なるものではない」と答弁している衆議院議員平野博文君提出年齢の計算に関する質問に対する答弁書

脚注


関連


外部リンク




日本の法律
民事法
1902年の法
年齢
人の一生



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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