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天文学(てんもんがく、:, :, , : ()カッコ内は『ラランデ歴書』のオランダ語訳本の書名に見られる綴り。, (), :)は、天体天文現象など、地球外で生起する自然現象の観測、法則の発見などを行う自然科学の一分野。主に位置天文学天体力学天体物理学などが知られている。

概説

位置天文学・天体力学・天体物理学


天文学は今日においてはその中の諸分野が著しく専門化している学問である。位置天文学は天体の位置を、天体力学は天体の運動を研究する学問で、天文学の中でも古典分野とみなされている。

それに対し天体物理学は天文学の近代分野とみなされており、天体の物理状態や進化を研究する学問である。現在の天文学のほとんどの分野は物理学を前提として成り立っており(天体力学も物理学の一分野であるニュートン力学を基礎としている。ただし位置天文学は物理学より数学との結びつきが強い)、観測結果は物理的に説明されることがほとんどである。

天文学と人々の関係


天文学は、数ある科学のなかでもアマチュアが活発に活動している数少ない分野である。特定の天体を追跡したり、彗星小惑星などの新たな星を発見するといった、様々な形でアマチュアによる活動が行われており、プロの研究者へのフィードバックや連携活動も珍しくない。

用語捕足


また、天文学で扱うスケールは日常的なスケールと比較して非常に大きくなるため、大きい数量を俗に「天文学的な……」と表現することがある。

astronom-
ヨーロッパの言語に見られる (例えば、英語の )は、古フランス語ラテン語 を中立ちとして、ギリシア語 () に遡る。 は、「星」を意味する () と「法則」を意味する () () とは別語。なお、その語源となった動詞 () に「命名する」という意味はない。 との複合語である小稲義男(編代) 『研究社 英和大辞典』(第5版)、研究社、1980年、131, 1437頁。中山茂 『天の科学史』 朝日新聞社〈朝日選書 263〉、1984年、58頁。

天文
中国や日本で使われていた、漢語としての「天文」という言葉には、古くから陰陽道暦学など天体の動きの変化から未来を予測する占い分野で用いられてきたという迷信的な側面があったibid., 25-26頁。天文道暦道)。江戸期洋学が盛んになると、オランダ語の の訳語として暦学例えば、梅文鼎 撰 『暦学疑問』京都梶川利助等、1820年(文政3年)。星学例えば、渋川景佑 編 『星学手簡』1795-1803年(寛政7-享和3年)。が用いられた。明治期になると、英語の やドイツ語の の訳語として「星学」が採用された。1878年には、東京帝国大学に「星学科」が設立された。大正期になると、研究対象が星のみならず宇宙空間やその他の事象にも及ぶことから、「天文学科」と改称された。ここで「天文学」が見えるが、誰がどのような理由で制定したのかわかっていない。これと同時期の1921年には、関西の京都帝国大学では新しい を講義すると言うことで、新城新造の提案でその訳語から「宇宙物理学教室」が設立された中山茂 『天の科学史』 朝日新聞社〈朝日選書 263〉、1984年、26頁。福江純 『そこが知りたい☆天文学』 日本評論社〈シリーズ 大人のための科学〉、2008年、5-6頁。。そのため、現在でも京都大学出身の天文学者は肩書きとして「宇宙物理学者」を使用している。ただし、 は現在では天体物理学と訳されている文部省日本天文学会 編 『学術用語集 天文学編』(増訂版)丸善、1994年、126、158頁。。なお、天文学の分野以外ではしばしば「天文物理学」という表現が見られるが、そのような分野は存在しない
また、明確な定義はないが、主に探査機によって得られたデータを用いる分野を宇宙科学と呼ぶこともある尾崎洋二 『宇宙科学入門』 東京大学出版会、1996年。
今日では、「天文」と言えば本来の迷信的要素は忘れられ、東洋天文学史を除いては専ら自然科学としての天文学を指している。
江戸幕府によって設置されていた観象台は、現在の気象台と国立天文台を併せ持つ機関として運営が行われていた。その目的は、暦の編纂、気象観測などを行うことであった。

天文学の各種分野


天文学は、天文現象へのアプローチの仕方によって大ざっぱにいって、観測天文学と理論天文学に分けることができる。観測天文学では、天体の現象を観測し、膨大なデータを収集する。理論天文学では、それらの現象を説明するモデルや理論、原理などを発見したり、作り出したりする。1980年代以降、大学や研究所の大型計算機センターに設置されたスーパーコンピュータを用いて、惑星や銀河の生成理論などにおいてはコンピュータによるシミュレーション実験も多用される。近年は、シミュレータそのものの専用計算機が開発され、多くの研究室で実験に供されるようになってきている。より一般的には、それぞれの研究者の扱う研究対象や手法によって分野が分けられる。たとえば、銀河の挙動を中心に研究する銀河天文学など宇宙の特定の天体を扱うもの、宇宙論星形成論など特定の問題を扱うもの、電波天文学や光赤外天文学など天体を観測する手法による分類などができる。

研究対象に基づく分類


本分類は、歴史的発展に基づき作成したものである。天文学分野で最初に研究が行われたのは、暦を研究する暦学であり、そこから、海上を移動する際に現在位置を知るために発展した位置天文学へと繋がる。そして、その位置天文学に基づく観測の結果から天体力学へと発展を遂げたものである。また、宇宙論は、神話や宗教等によって、それらは様々な伝承などの形で現在に至っている。宇宙論が、きちんと物理学的に探求されるようになったのは、近代に入ってからである。その他の、観測分野にしても同様であり、天体観測が系統的に行われるようになってからのことである。

本分類は、観測対象=研究対象という意味もある。の場合には、地球自転についての研究である。そこから発展する形で、惑星運動の研究が行われた(ケプラーの法則)。宇宙論に関しては、仮説から観測によって、ビッグバン宇宙論が確立し現在に至っている。銀河の観測については、彗星ハンターと呼ばれる人々によって開始され、大型の観測装置が設置されることになってから詳しく研究が行われるようになったものである(シャルル・メシエウィリアム・ハーシェル)。最後に地球に関しては、様々な神話の時代から探求が行われ、地上で起こる現象や地理学的な知見によって、地球物理学が発展してきたものである(関連項目:地震学)。地球化学に関しては、地球全体における化学的収支を明らかにするために、研究が行われている分野である(関連項目:環境問題)。

このように、地球-地球・月系-太陽系-銀河系-宇宙の大規模構造-宇宙誕生そして進化にいたる、幅広い研究領域を扱う学問である。

観測媒体による分類


電磁波を用いる天文学一般に温度(エネルギー)の高い物体からは波長の短い電磁波が放射されるので、短い波長を用いれば、エネルギーの高い天体現象を観測することができる。天文学を以下に波長によって分類する。なお、宇宙膨張に伴い、宇宙誕生初期に発生した光などは、より長い波長の光や赤外線、サブミリ波で観測される(関連項目:ドップラー効果)。恒星や惑星、衛星や星間ダストの出す放射スペクトルは、一般に黒体輻射の法則に従う(関連項目:ボルツマン定数)。

電磁波以外の媒体を用いる天文学

コンピュータ機器を用いる天文学

関連分野


  • 宇宙化学 - 大型望遠鏡によって発展してきた分光学を支える学問分野。暗黒星雲内の化学研究や惑星探査機による惑星大気観測などの研究が行われている。
  • 宇宙医学 - 宇宙飛行士による、長期滞在実験(ソユーズ計画、スカイラブ計画サリュート計画、ミール計画、スペースシャトル計画、国際宇宙ステーション(ISS))によって、現在も研究が進められている。この目的は、当面はへの恒久基地建設に伴う長期滞在、火星への有人探査計画であるが、将来的には人類の宇宙活動が、生産や居住等にまで拡大した時代を見越して研究が進められている。
  • 宇宙生物学 - アストロバイオロジーともいう。比較的新しい分野であるが、地球以外の星に生命が存在する可能性の研究や、宇宙由来のたんぱく質やDNA(まだ見つかっていない)等の研究を行う分野である。

学際分野


以上、通例、単に天文学と言えば数理天文学のことを指すが、学際的な分野、文科的 (cultural) な分野、史的 (historical) な分野も存在する。こうした文科的・史的天文学は、数理天文学に対して天文学の傍径 (byway astronomy) と扱われており草下英明 「はしがき」『星の百科』 社会思想社〈教養文庫 734〉、1971年、3頁。、占星術や天文考古学、天文民俗学のように、数理天文学者からは擬似科学とみなされている分野もある例えば、中山茂 『天の科学史』 朝日新聞社〈朝日選書 263〉、1984年、12-24頁。

脚注

関連文献


  • 『天文学の歴史』 アーサー・C・クラーク(序文執筆) ヘザー・クーパー(著)

関連項目



宇宙の構成要素


学問分野の構成


研究の手段


研究機関及び研究者


人類の宇宙への挑戦


  • 宇宙開発(天文学における、学際分野の中心)

その他


外部リンク

天文学活動関連


天文学資料関連


教育関連



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天文学に関する記事
自然科学
暦法






出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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