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交換過程(こうかんかてい)とは、商品の持ち手の全面的な変更(商品の交換)の過程を指す。

商品とは元来、人間ニーズを充足させることのできる有用性を指す「使用価値」とあらゆる商品と交換可能性を持つ性質である「価値」を持った2つの要素の統一体である。ところが、ある物に対して抱く「使用価値」は全ての人にとって同一ではなく、中には商品所有者にとって使用価値が存在しない(「非使用価値」)である場合もある。そこで、その物に対する「使用価値」を持っている非所有者が所有者からそれを獲得しようとする。その結果、商品の持ち手の全面的な変更が発生する。これが交換である。だが、その過程の中で商品に内在する「使用価値」と「価値」の矛盾が露呈される。これに対して双方の媒介の役目を果たすのが貨幣である。

交換過程において商品が「使用価値」として実現される前提として、その商品の持つ「価値」が実現されなければならない。同時に「価値」として実現される前提として、その商品が「使用価値」を有することが実証されなければならない。この2つの過程は相互に前提しあいながら、同時に互いを排除しあう関係でもある。また、商品所有者は誰でも、自己の欲望を満たす「使用価値」をもつ他の商品と引換にのみ自己の商品を譲渡しようとする。その限りではその交換は彼個人の過程でしかない。だが、同時に、他方で彼は自分の商品を「価値」として実現しようともする。それは、同じ「価値」を持つ彼の欲する他の商品のどれとでも、その所有者が彼の持つ商品に対して「使用価値」を認めるか否とにかかわらず、交換しようとする。その限りではその交換は一般社会的な過程として捉えることが可能となる。ところが、同一の交換過程において、全ての商品所有者が個人的立場と一般社会的立場を並立させることは出来ない。そのため、全ての商品所有者にとって他人の商品は自分の商品の特殊的等価物であると一方的に看做し同時に、自分の商品を他のすべての商品の一般的等価物であると看做す。だが、全ての商品所有者が同じことをしようとするために、結果的にはどの商品も一般的等価物になり得ず、それらが価値として等置されることも双方の商品「価値」の大きさが比較されえないことになる。このために全ての商品所有者が交換を希望しながら、交換が行いえないことになる。

この矛盾を克服するために、「ある特定の商品」を商品の社会的行為を通じて商品世界から排除して「共通の一般的等価物」と定めることによって一応は解決される。全ての商品はこの共通の一般的等価物である特定の商品で価値を表現することによって相互に「価値」としての相関関係を成立させていくことが可能となる。

「共通の一般的等価物となった特定の商品」が独自の社会的機能となったとき、その商品は「貨幣」として成立する。貨幣の成立によって、商品所有者はまず自己の商品を販売して貨幣に転形され、その貨幣によって自分が欲する商品へと再転形させることで円滑な交換過程が実現される。前者を「販売」、後者を「購買」と呼ぶ。このように貨幣は交換過程における必然的な産物であると言える。


経済学



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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