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ミシャー婚()とは、イスラム法における結婚形態の一つで、婚姻における妻の経済的な権利を要求しないこと、夫と同居しないことなど多くの義務と権利を放棄することを条件として結婚する形態である。「旅人の結婚」などと呼ばれる。
サウジアラビアでは合法的な婚姻の形態として認められており、近年ではミシャー婚を選択する若者が増加している。
背景と原因
イスラム社会においては結婚するために夫が妻に対してマフルと呼ばれる結納金のようなものを支払わなければならないが、ミシャー婚においてはマフルを支払わなくてよい。また、夫は妻に対して住居や生活費を与える義務を負わず、妻は夫に対して家事労働や同居などの義務を負わない。このためミシャー婚を行った女性は家族と同居している場合が多い。サウジアラビアでは女性の就労が厳しく制限されているため、妻はほとんどが無収入であり、妻と子供は経済的に完全に夫に依存することになる。しかし、多産奨励で子供が3人以上いる場合が珍しくないサウジアラビアでは若い一般的な労働者には妻子の経済負担が大きく結婚をためらう原因になっている、しかし、30代になっても妻と子を持たない男性は半人前扱いされるため社会的に結婚する必要に迫られる。女性にしても結婚適齢期を過ぎて未婚のままでいることは社会的に辛いという事情がある。このため手間も金もかからないミシャー婚が選択される。
また、正規に結婚する前、婚約期間の代わりにミシャー婚を選択する若者も多い。
イスラム社会では夫婦以外との性的関係はジナの罪として死刑もありえる重罪であるが、
一夫多妻が認められているため、2番目・3番目の妻に対して愛人のような関係でミシャー婚が行われることもある。また、インドネシアなど国によっては短期間にミシャー婚と離婚を繰り返すことで合法売春が行われることもある。
サウジアラビアの出会い系サイトである almisyar.com の名前はミシャー婚の英語表記である misyar にアラビア語の定冠詞のalを付けたもので、出会い系サイトで知り合った男女が直接会って関係を持つ場合にミシャー婚が行われることがある。
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