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ヒンディー語ヒンディーHindi )は、インドの主に中部や北部で話される言語で、憲法によればインドが制定している公用語の内、1番目にくる(2番目は英語)。インドで最も多くの人に話されており、話者の数は約4億人に上る。日常会話の話者数では中国語の約14億人、英語の約5億1000万人に続き、世界で3番目に多くの人に話されている言語。

言語名


ヒンディー(Hindi)」のみで言語を表すため、本来は「語」を付する必要はない。そのため「ヒンディー」という表記は不正確といえる。その一方で、宗教名を用いた「ヒンドゥー語」「ヒンズー語」という表記は明らかに誤った表現であるが、日本語でインドの言語を表記する場合は一般に、サンスクリット以外は○○語、またはインド・アーリヤ語派では○○ィー語と書かれる。因みに、「ヒンドゥー」も「ヒンディー」も「ヒンド(Hind)」の形容詞形である。本来「ヒンド」とはペルシア(現在のイラン)の側からインダス河対岸一帯を指した地域名だったのだが、現在ではその実体は失われ、「ヒンドゥスタン(Hindustan)」(=「ヒンドの土地」の意)などの派生語が残るのみである。

系統と歴史


インド・ヨーロッパ語族インド・イラン語派に分類される。隣国ネパールで話されるネパール語、及びインド国内とパキスタンで話されているウルドゥー語などとも近縁関係にあり、特に後者とは基本的な語彙や文法がほぼ共通しており、言語学的には同一の言語の変種である。そのため大抵の場合それぞれ互いに通じる。

歴史的にはサンスクリットプラークリットといった古典言語にアラビア語ペルシア語系の語彙が極めて大量に加わって成立したヒンドゥスターニー語ヒンディー語の前身であり、19世紀頃にウルドゥー語と不完全ながらも分化している(ウルドゥー語がさらに多くのアラビア語ペルシア語系の高級語彙を取り入れたのに対し、ヒンディー語は一定程度のアラビア語ペルシア語系の高級語彙をサンスクリット由来の高級語彙で置換させて成立した。ただし、基本語彙まで全て排除することは不可能であるので、現在でもヒンディー語にはかなり多くのアラビア語ペルシア語の語彙が残存する)。ヒンドゥスターニー語を構成する大きな要素であるアラビア語ペルシア語サンスクリットは全て古典語として洗練された言葉であり、高級語彙を提供しうる言語であったこともこのような分離が成功した要因である。但し政治的、宗教的な場を除く日常生活では、インドとパキスタンの庶民ともに実際は両言語の混交したものを使用しており、現代のそれらを総称してヒンドゥスターニー語と呼ぶこともある。

現代ヒンディー語インド英語とも影響し合って変化を続けている。

多言語国家のインドでは、インドの全公用語をヒンディー語とする運動を進めているが、別種の語族である南部のドラヴィダ語族が反発している。反対運動にともない死者を出す騒動も発生するなど、言語の統一の実現性は乏しい。

変種

  • 東ヒンディー語:ヒンディー語の主要方言の1つ。正統なヒンディー語とされており、ウッタル・プラデーシュ州を中心に話者人口も多い。
  • 西ヒンディー語:ヒンディー語の主要方言の1つ。東ヒンディー語よりも話者人口は少ないが、首都ニューデリーを含む地域で話されているため、その影響力は少なくない。

文字


デーヴァナーガリー文字による「ヒンディー」表記には主にデーヴァナーガリー文字が用いられる。インド国内の公共表示では英語アルファベットに準じたラテン文字表記も併用されることが多く、これはアラビア文字で表記されるウルドゥー語の話者と文書で意思疎通する際などにも多く用いられる。また逆にラテン文字において、デーヴァナーガリー文字風に肉付けしたラテン文字フォントが使われる事も希にある。

デーヴァナーガリー文字での表記

|-
| ऌ ॢ L || ॡ ॣ LL || ए े e || ऐ ै ai || ओ ो o || औ ौ au || 無 ं -M || 無 ः -H
母音


  • 表内の左側が母音字(子音が伴わない)、右側が母音記号(子音に付属、M・Hは子音もしくは母音に付属)とする。

|-
! 気音
| ह ha || || || ||
子音

関連項目


外部リンク




インドの言語
インド・イラン語派
インド・アーリア語派



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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