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ヒューマニズム()という概念は、歴史的な変遷を経て多義的に用いられている。

概説


ルネサンス期における「ヒューマニズム(人文主義)」とは主として古典研究、フマニタス研究を指すが、20世紀にはいると、この古典研究の意味から離れて合理主義的解釈が施され、以下のような極端なとらえ方がなされる場合がある。真理の根拠を、でなく理性的な人間の中にみいだそうとした、と。その延長上として「人間中心主義」と訳出する場合があるが、この「人間」とは西欧近代的な価値観に基づく『理性的』な人間であり、理性中心主義・西欧中心主義に通じる概念である、と。この解釈は啓蒙主義以後の観点であり、ルネサンス人文主義とは明確に区別されるべきであろう。こういう論もある。20世紀半ば以降。ヒューマニズムは人間中心主義にすぎないのではないかという批判が提出されてきた。「人間は、人間の尊厳を唱える一方で、他の動物のことを単なる手段として扱っている。これもまた一つの差別、すなわち「種差別」にほかならないのではないか。さらに人間は、動物への虐待ばかりでなく、科学技術という強大な力を手に、自然環境に対する大規模な破壊活動も繰り返している。その根底にあるのはヒューマニズムという名の驕りではないのか」

中世から近代に移行する時代は、思想・芸術史上、ルネサンスと呼ばれる。この頃の
イタリア諸都市は独立した国家として独自の文化を誇った。たとえば、フィレンツェ
パドヴァの両都市は、それぞれフィレンツェ共和国とヴェネツィア共和国の中心地であ
った。フィレンツェは共和精神と「プラトン・アカデミー」の町として、そしてパドヴ
ァは大学都市として、イタリア内外の同時代人の関心を惹きつけ、訪れ、学ぶ者は多か
った。両都市の異なる特徴はルネサンス思想を考察するうえで意義深く、前者は「市民
的」ヒューマニズムとプラトン主義に、後者はアリストテレス主義の問題に深く関与する。

また、ヒューマニストは16世紀のルネサンス時代に登場した、カトリック教会の神中心の世界観に対して人間そのものの美しさや価値を見いだした思想家たちでもある。代表的なヒューマニストとしては、ドイツのロイヒリン、オランダのエラスムス、イギリスのトマス=モア、フランスのモンテーニュらである。彼らの思想は、カトリック教会(これとは別に教皇と対立したサヴォナローラは自分が神に選ばれた人であると公言したが、それは虚偽であるとされて焼き殺された(この事から、ローマの当時の信仰がみれる))の権威主義を否定することとなり、たびたび弾圧されたが、宗教改革の出現を促し、近代的な合理思想の源流となった。

このように大きな運動に発展した例もあるが、学生運動は行われなかったようだ。

語源・歴史


フマニタス(羅:Humanitas)」という概念は、既に古代ローマ時代にあってはローマ市民が学ぶべき教養として理解されていた。これが中世においては、大学で教授される自由七科(教養学科)へと受け継がれた。こうした古典の研究は、特に14世紀後半以降フマニタス研究 (Studia humanitatis) と呼ばれ、その研究者は人文主義者(ユマニスト、ヒューマニスト)と呼ばれ始めた。14世紀イタリアのペトラルカ以降、古典古代(ギリシア・ローマ)への関心が高まるルネサンス期になると、スコラ学的なアリストテレス哲学に基づく論理体系に対して、キリスト教以前の古代のギリシア・ローマの詩歌、歴史、修辞学の中に倫理の源泉を見いだそうとする動きが生じた。この点で、神中心のカトリックに対する人間中心主義とも言われるが、論理体系・視座において新たな姿勢を打ち出しただけで、キリスト教そのものを否定したわけではないし、必ずしもカトリックとの対立を伴ったわけではなかった。古典を研究し、教養ある人士の生き方、生活様式が人文主義者(ユマニスト)の身上とされた。

人道主義・博愛主義


人道主義博愛主義を指してヒューマニズムと言う場合もあるが、英語では人道主義を「humanism」と区別して「humanitarianism」で表すこともある(必ずしも一般的ではない)。今日の日本ではむしろこの意味でヒューマニズムが用いられることが多いが、上記のように歴史的・哲学的文脈での人文主義者の主張は、戦争反対や、弱者に優しくしようといった発想と直ちに重なるものではない。

出典

関連項目



*
ルネサンス
思想
芸術運動
文化運動



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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