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ポーランドのザワークラウト(キショナ・カプースタ)
ザワークラウトの上に豚肉や[[ソーセージを盛り付けた料理、シュラハトプラット(シュークルート・ガルニ)。右下にザワークラウトが見える
ザワークラウト(Sauerkraut、ザウアークラウト、ザワークラフトとも)とは、ドイツの名物料理であるキャベツの漬物。原義は「すっぱいキャベツ」。この酸味は乳酸発酵によるものである。一説には、ドイツのキャベツは「石頭」の同義語として「キャベツ頭」という言葉があるくらい硬いので、このような食べ方が考案されたともいわれる。
広まった国
英語ではサワークラウト、仏語ではシュークルート、オランダ語ではズールコール、ポーランド語ではキショナ・カプスタ。フランスのアルザス地域やポーランドをはじめ北欧、東欧、ロシアでも食されているほか、ドイツ移民の多いアメリカ合衆国、カナダなどでもよく食べられている。1世紀には古代ローマで食べられていた記録があるが、現代のものは16世紀から18世紀にかけてヨーロッパに広く定着した。ビタミンCを含む保存食として、レモンなどの果実やジュースと並び、長い航海の壊血病予防食としても利用された。また、現代に至るまでドイツの軍隊食としても重用されている。
また、かつては漬ける際に足でキャベツを踏んで水分を染み出させていたことから、太い足を意味する隠語も存在する。
製法
ザワークラウトの酸味は空気中の乳酸菌などによる醗酵で生じるもので、酢などの酸味料は加えない。産地や各家庭において作り方はさまざまであるが、基本的にはキャベツや赤キャベツを繊切りにし、かめや漬け物だるに入れ、適量(キャベツの重量の1%程度)の塩と香辛料を入れてよく混ぜたのち、漬物石など重しをのせて押しをかけ、常温で保管する。夏季なら3日、冬場でも一週間程度で酸味が出て食べごろになる。香辛料はジュニパー、ディルシード、キャラウェイシードなどがよく使われる。また塩とともに白ワインを加えて漬け込まれることもある。
食べ方
ソーセージ(ドイツ語でヴルストWurst、フランス語でソシスsaucisse)などの肉料理をはじめとした色々な料理の付合せとしてよく用いられる。代表的な料理に、ドイツ語でシュラハトプラットSchlachtplatte、フランス語でシュークルート・ガルニchoucroute garniがある。これは数種類のソーセージおよび数種類の部位の豚肉、特に腿肉(ドイツ語でアイスバインEisbein、フランス語でジャンボノー jamboneau)をザワークラウトの上に乗せて蒸し焼きにしたものである。また魚を載せた料理もある。これは海魚に限らず、ドイツのライン川やドナウ川、フランスのロワール川沿いなどでは、鱒や鯉などの川魚も良く用いられる。場合によってはカツレツ状に衣を着けて揚げてあり、クリームソースをかけて食べることが多い。フランスではシュークルートと呼ばれ、アルザス地方の料理とされており、果実味の強い白が特徴のアルザスワインを合わせて飲むことが多い。またアルザスに限らずロワールなど他の地方でもシュークルートは良く用いられる。地中海沿岸ではシュークルート・ドゥ・ラ・メールchoucroute de la merと言って、海の魚介類を乗せた料理も見られる。
その他、油で炒めたり、スープ(ドイツ語でズッペSuppe)やロシアのシチーなどの煮込み料理の材料としても用いられる。また、サンドイッチに挟むのもポピュラーな食べ方である。塩漬けした牛肉と共にパンにはさんだものはルーベンサンドといわれ、ニューヨークの名物料理の一つである。ホットドッグの付け合せとしても一般的である。ドイツからフランスなどへ移住したユダヤ人の料理としても用いられるが、ユダヤ教では豚肉を食べることが禁じられているため、乗せる具は子牛の肉や魚が用いられる。東欧ではロールキャベツ(サルマ、サルマーレ)にも使われる。
ベトナムにはザワークラウトと同じようなキャベツの漬け物がある。漬物甕にキャベツを入れ、水と塩と砂糖を加え、フタをしてそのまま2~3日おくと酸っぱい漬け物ができあがる。
ドイツのイメージとザワークラウト
ザワークラウトは代表的ドイツ料理として、ドイツやドイツ人との連想性が高かった。そのため、ドイツおよびプロシア人に対するイメージが悪化した時期には、ザワークラウトはドイツ人への蔑称として使われる場合があった。第一次・第二次世界大戦の英米軍では、ドイツ兵を指すのに「クラウト」(ドイツ野郎)という蔑称を使った。また第二次大戦中の米国ではザワークラウトの生産業者はドイツのイメージをぼかすため「フリーダムキャベツ」という名前で販売を行った。21世紀初頭のアメリカで一時期、フレンチフライが「フリーダムフライ」と呼ばれたことに似た現象といえる。
関連項目