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コルクを打ち抜いて作った瓶の栓
粉砕したコルクを薄い薄板に圧縮成型して作ったコースター
コルクガシから採取したコルク原材(ポルトガル)

コルク()は、コルクガシ樹皮コルク組織を剥離、加工した弾力性に富む素材。空気をよく含み、軟らかいため、中国語では「軟木」()と呼んでいる。また、コルクに似せて作った合成素材は合成コルクと呼ばれる。

採取と加工の方法


コルクは本来はコルクガシの樹皮である。採集する際に形成層などの生きた組織を痛めないように、樹皮のみをはいで製造する。コルクガシを植樹後、数年を経た段階で、第1回の剥ぎ取りを行う。このときに得られた樹皮(バージンコルク)は表面が亀裂や凹凸に富み、加工製品の素材としては適さない。そのため、洋ランのような熱帯性の着生植物を着生状態で栽培するときの植え付け材として利用される。その後は数年ごとに再度厚く成長した樹皮を剥ぎ取っていく。この2回目以降に得られた樹皮は表面が平滑な均質性の高い材質であるので、打ち抜いてワインなどの瓶の栓を製造する。剥ぎ取られた樹皮はまず高温蒸気処理を受ける。これによって樹皮は弾力を増やし、丸みがとれて平らになり、打ち抜きやすくなる。打ち抜かれて残った樹皮は粉砕された後に接着剤と共に圧縮され、圧搾コルクとして利用される。コルクのように収穫される主な生産地はポルトガルであり、全世界の生産量の約52%を占める。ほかに、スペイン(29.5%)、イタリア(5.5%)、アルジェリア(5.5%)、モロッコ(3.7%)、チュニジア(2.5%)、フランス(1.1%)などで生産される。世界のコルク林面積は約228万ヘクタール。その内訳はポルトガル(32.4%)、スペイン(22.2%)、アルジェリア(18.2%)、モロッコ(15.2%)、フランス(4%)、チュニジア(4%)、イタリア(4%)である。

利用


発泡プラスチックのように多孔質で、弾力性がありをほとんど通さないが、通気性はわずかにあり、保温性に優れている。代表的な利用としてはワインや、野球硬式球の芯、バドミントンのシャトルなどに使われている。バージンコルクは形が悪いのでワイン栓には普通使われない。

コルク栓を打ち抜いたあとの端材は、粉砕して成型加工され、フローリング用床材や断熱材など、さまざまな用途に供される。

バットを改造してコルクを詰めることは野球規則で禁止されている。これはコルクの反発係数が高いためである。近年ではサミー・ソーサがそのバットを使用し罰金と謹慎処分を受けたこともある。

オーボエクラリネットファゴットといった木管楽器の接合部分にもコルクが用いられ、楽器内部の密閉性などに大きく関わってくるため、音色など楽器のバランスに重大な影響を及ぼす。

ルアーフライフィッシング用の釣竿のグリップ部分にもよく利用される。滑りにくく竿の感度がダイレクトに手に伝わり、水濡れに殆ど影響されず、なにより風合いがよいため多くのルアー、フライ愛好家に好まれている。

中国などでは、コルクの板を彫刻して、立体的な彫刻画が製造されている。

鉄道模型においては粉砕コルクを成形加工したものを「コルク道床」として主にレイアウト製作において使用する他、バージンコルクの表皮の質感を活かして「岩壁」を表現するのに用いられる(「コルクロック」という名称で販売されている)。また、各種の大きさに選別した粉砕コルクが「コルクパウダー」という名称で販売されており、これらは岩や石、バラストの表現に用いられる。

最近ではアクセサリーの素材として利用されることもある。

なお、生物学史では、ロバート・フックがコルクの断面を観察して、多数の小部屋を見つけてこれにCellと名付け、これが後に細胞の語に使われたことから、細胞発見の素材としても知られている。

コルクガシ


コルクガシ(Cork Oak)はブナ科コナラ属の常緑高木(オーク)で、地中海地方原産。学名はQuercus suber.地中海の温暖な気候を好み南欧、北アフリカに分布する。イベリア半島をはじめ、イタリアなどでもコルク製造のために栽培される。コルクガシはコルク生産目的だけではなく、防砂林としても植えられている。

合成コルク


コルクの代替品としてプラスチックなどの合成素材で作ったコルク様の物質は合成コルクと呼ばれる。合成コルクは主にワインの瓶の栓として使用される。安価なワインに使用されることが多い合成コルク栓だが、コルクガシから採ったコルクが天然素材ゆえに微生物による汚染(それによってカビ臭、ブショネなどと呼ばれる不快な臭いがワインに移ってしまう)やコルクダスト等の問題があるのに対し、それらの問題が存在しない。合成コルクの商品としてはNkorc、Nomacorc等が存在する。

関連項目



木材



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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