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エクストラ・バージン・オリーブ・オイル

ボトルに入ったオリーブオイル
ポンペイの石臼
オリーブ・オイル (olive oil) はオリーブ果実から得られる植物油である。阿列布油当て字されることもある。

概要

酸化されにくいオレイン酸を比較的多く含むため、他の食用の油脂に比べて酸化されにくく固まりにくい性質を持つ(不乾性油)。特に、エクストラ・バージン・オイルと呼ばれるものは、香りと味が良質で高級とされる。ギリシア語での語源が「喜び」と共通することから正教会ではの対象となる。

紫外線により劣化するが、紫外線は太陽光線のみならず蛍光灯の光にも含まれているため、冷暗所で保存する。手に取りやすい食卓や台所に置く場合は黒い瓶やアルミホイルで覆った瓶により遮光すると同様の効果がある

主に地中海に面した地域(イタリアスペインギリシャマシュリクなど)で好んで使われる。ギリシャでの消費量は世界一で、日常の食卓に置いて様々な料理に使われている。オリーブ・オイルを多用するギリシャでは日常生活に欠かせない食材であるため、価格も比較的安価である。イタリアなどでは毎年オリーブの収穫の季節に、ブルスケッタなどと一緒に絞りたてのオリーブ油を賞味して収穫を祝う習慣がある。

主な生産国はスペイン(40.1%)、イタリア(19.5%)、ギリシャ(12.9%)などとなっているInternational Olive Council 2008/9。食用のほか、化粧品薬品、また石鹸などの原料としても用いられる。これらの地方では単に油といえばオリーブ・オイルをさすことが多い。

製法


種子や果実から採取される植物油の多くが加熱工程や溶剤抽出工程を経て得られ、特にほとんどの場合植物組織から油を分離するのに加熱工程が不可欠であるのに対し、オリーブ・オイルは生の果肉から非加熱で果汁を絞って放置しておくだけで、自然に果汁の表面に浮かび上がり、これを分離することで得ることができる。オリーブと同様に果肉から多量の油が得られるアブラヤシの果実からパーム油を採油する場合、原産地であり伝統的栽培地帯である西アフリカ熱帯雨林地帯における伝統的手法でも、パーム油は飽和脂肪酸を多く含むため常温では固形であり、砕いた果肉を煮沸しなければ抽出できないのと大きな違いであり、この点がオリーブ・オイルの最大の特質となっている。つまり、ワインが本来、限られた季節にしか得られないブドウの果汁を一年中飲むことができる保存果汁としたものとして発展したのと同様、同じ地中海文化の中で利用が発展したオリーブ・オイルも、正に油という形で保存された生の果汁としての性質を、食品化学的にも、文化的にも、色濃く持っている。収率向上のため、果実をすりつぶして絞った果汁を遠心分離機に掛け採油する。伝統と品質を重んじる採油所では、この果実のすりつぶしに伝統的な石臼が用いられているが、工業的に大量に処理する採油所では機械による粉砕が行われている。オリーブ絞り用の石臼は、東アジアの穀物粉砕用の石臼のように溝を切った二枚の石の円板が水平に重なり合って回転し、磨り合う形態ではなく、巨大な石の皿の上で垂直に立てられた石の円板が、車輪のように転がりながら円運動をする形態のものである。

果汁から遠心分離などによって直接得られた油をバージン・オイルと呼び、その中でも果汁としての香りが良好で油としての品質も高いものを特にエクストラ・バージン・オイルと呼んでいる。

さらに果実に含まれる油を無駄なく回収するため、果汁を絞った絞りかすからも溶剤抽出によって油が採取されることもある。絞りかすから溶剤抽出された油や食用に適さない品質の悪いバージン・オイルを精製して得られた味や香りに乏しい油を、中程度の品質のバージン・オイルとブレンドして作られているのが、単なるオリーブ・オイルとして販売されているものである。

また、オリーブの種子から溶剤抽出によって得られた油をオリーブ核油と呼んでいる。

健康とオリーブ・オイル 




オレオカンタールは、特にエクストラ・バージン・オイルに含まれている天然成分である。オレオカンタールは、風邪薬の中に入っている抗炎症剤であるイブプロフェンに似た抗炎症作用を示す。オレオカンタールは、炎症作用を有するプロスタグランジンアラキドン酸から合成するシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害するのである。このことは、オリーブ・オイルからこの物質を長期間、少量摂取することが、地中海料理が心臓病の発生の予防に貢献しているかもしれないことを示唆しているものであるhttp://en.wikipedia.org/wiki/Olive_oil</ref><ref>http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/agc/ishiura/ishiura.html 石浦博士のオドロキ生命科学http://www.hokuriku-u.ac.jp/yakugaku/chiryo/topic0903.html オリーブ油の苦み成分に鎮痛薬に似た薬理作用、米研究チームが発見。2006年3月27日、アメリカ合衆国の健康専門月刊誌『ヘルス』による世界の5大健康食品が発表され、スペインのオリーブ油、日本大豆ギリシャヨーグルトインドダール韓国キムチの5品目が選出された。

歴史


古代ギリシア式の石臼([[トルコ、キリズマン)オリーブ栽培とオリーブ・オイル発祥の地は地中海沿岸である。広く信じられている説では、オリーブ・オイルの使用はクレタ島で始まったという。オリーブ・オイルを貯蔵するための最古のアンフォラはここから出土しており、紀元前3500年ごろのものとみられる。もう一つの説では、カナン人が紀元前4500年ごろに初めてオリーブ・オイルを絞ったという。宗教的な用途に用いられることもあった。キリスト教の祖イエスの名の別名「キリスト」は救世主を意味するが、原義は「油で聖別された者」の意で、聖別にオリーブ油が使われたと見られるほか、聖書にオリーブ油が頻繁に登場するのはパレスチナの文化にオリーブ油が根付いていた証拠である。また、ギリシャなどの教会では灯火用にも用いる。

古代ローマでは不作の年に備えて公共の貯蔵庫を設け、祝賀の時には人々にふるまわれることもあった。カエサルウティカの戦いで勝利を収めたときには軍の兵士に一人あたり2ガロンもの油が与えられたという。
マシュリクでは、美容と健康のためにそのまま飲むこともある。

育苗・栽培・製造方法の技術の発達により、アメリカ合衆国オーストラリアなどの新世界から、非常に優れた品質のオリーブオイルが出荷されるようになった。オリーブのよく育つ環境はワイン用のブドウ(特にシラーカベルネ種)が育つ環境と非常に似ているからである。風土や苗・製造方法、生産者の嗜好などにより、色や味に個性が出る。

日本のオリーブ・オイル


1908年(明治41年)、魚の油漬け加工に必要なオリーブ・オイルの自給をはかるため小豆島情報サイト農商務省がアメリカ合衆国から導入した苗木を三重県鹿児島県香川県に試験的に植えた。小豆島に植えたオリーブだけが順調に育ち、大正時代の初めには搾油ができるほどの実が収穫された小豆島オリーブ公園。小豆島では今でも島のあちこちにオリーブの樹が植えられており、純国産のオリーブ・オイルが作られている。

|-
| 18:2(リノール酸) || 9.762
オリーブオイル(100g中)の主な脂肪酸の種類http://ndb.nal.usda.gov/</ref>
脂肪
飽和脂肪酸
パルミチン酸)
ステアリン酸)
一価不飽和脂肪酸
パルミトレイン酸)
オレイン酸)
多価不飽和脂肪酸

料理の例


イタリア料理(特に南部)、スペイン料理ギリシャ料理トルコ料理レバノン料理、フランスのプロヴァンス料理バスク料理では、オリーブ・オイルが多く使われる。

このほか、一般的な料理法とは異なるが、日野原重明は毎朝朝食として、果汁100%のジュースとオリーブ・オイルを混ぜたものを飲むという。

用途


食用油
天婦羅油、炒め物サラダ用などに使用。
化粧品
髪油、スキンオイルなど
薬用
日本薬局方に収載されており、他の薬効成分と配合して用いられる。
工業
塗料などの樹脂原料
その他
棒、杖、棋具、の手入れのため塗布して使用する。

関連項目


出典

外部リンク



ヨーロッパの食文化
地中海の食文化
中近東の食文化
アフリカの食文化
食用油脂
植物性油脂
モクセイ科
ヘアケア



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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