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マネ《エミール・ゾラの肖像》 1866年/' title='エドゥアール・マネ/' title='ファイル:Edouard Manet 049.jpg|thumb|[[エドゥアール・マネ'>マネ《エミール・ゾラの肖像》 1866年'>エドゥアール・マネ/' title='ファイル:Edouard Manet 049.jpg|thumb|[[エドゥアール・マネ'>マネ《エミール・ゾラの肖像》 1866年
エミール・フランソワ・ゾラ(Émile François Zola, 1840年4月2日 - 1902年9月29日)は、フランスの小説家で、自然主義文学の定義者であり、代表的存在でもあった。代表作品は全20作から成る≪ルーゴン・マッカール叢書(そうしょ)≫で、著名作は『ジェルミナール(芽月)』、『居酒屋』、『ナナ』。
生涯
イタリア人技術者である父とフランス人である母との1人息子として、パリに生まれた。ゾラは少年時代を南フランスのエクサンプロヴァンスで過ごした。18歳でパリに戻り、バカロレア(大学入学資格試験)に挑戦するが失敗し、出版社アシェット書店で働きながら(配送部に入社。後に広報部に移動)作家を目指してロマン主義的な作品を作った。このころから、評論を手がけ始め、マネなどの印象派の画家を擁護する批評を発表した。
1867年に『テレーズ・ラカン』を発表し、小説家としての足場を固めた。ゾラは実証的な自然科学の手法をそのまま文学に導入する「自然主義」を唱え(「実験小説論」)、その実践としてルーゴン・マッカール叢書を執筆した。当初は全くと言っていいほど売れず、専門家にしかその名を知られなかったが、第7作『居酒屋』で社会現象を起こすほどの大成功を収め、以後フランス自然主義文学の黄金期を築き、後にはフランス文芸家会長にも就任した。
ゾラがメダンに造った別荘は多くの文学者が集まるサロンとなった。モーパッサンやユイスマンスもゾラの別荘に出入りするうちに才能を認められた作家である。少年時代からの友人である画家のポール・セザンヌとは一時同居もしていたが、諸説により絶交している。
晩年は空想的社会主義に傾き、社会・政治活動に精力的に参加した。ドレフュス事件では、右翼的軍部の陰謀によりスパイ容疑にかけられたユダヤ系の参謀本部付砲兵大尉ドレフュスを弁護し、1898年に『我弾劾す』("J'accuse")に始まる公開状をオーロール紙に寄稿した。このため罪に問われ、イギリスに亡命するが、翌年帰国。ドレフュスの再審が決定(1906年に無罪確定)。
1902年パリの自宅で、一酸化炭素中毒のために死亡した。反対派による暗殺説もあり、本国では検証著作もある。遺骸はパンテオンに眠る。
著作
《ルーゴン・マッカール叢書》
『ルーゴン家の繁栄』から『パスカル博士』まで全20巻の構成。第二帝政時代の「ルーゴン・マッカール家」の運命を描いてゆく。論創社で、小田光雄・伊藤桂子訳で、※13冊が刊行(2002年より2009年3月まで)。
藤原書店「ゾラ・セレクション」で、※6冊が刊行作品、他は下記。
(全11巻・別巻1:宮下志朗・小倉孝誠責任編集、2002年より始まり、2010年現在10巻目まで刊行)。
- 『ルーゴン家の誕生』"La Fortune des Rougon", 1870年
南仏の架空の町プラッサンを舞台に、ナポレオン派と共和派の争いを、少年シルヴェールの悲恋を絡めて描く。
※ルーゴン・マッカール家第三世代までの顔見せ興行的な面がある必読の書。 - 『獲物の分け前』"La Curée", 1871年
パリ再開発をめぐる不動産投機の駆け引きを、赤裸々に描く。- 中井敦子訳 ちくま文庫 2004.5
- 伊藤桂子訳 論創社 2004.11 ※
- 『パリの胃袋』"Le Ventre de Paris", 1873年
パリの市場を舞台に、ギニアから脱走してきた青年フロランは監督官として働き者との評判を取るが、やがて周囲に疑われるようになり、フロランの義妹リザ・クニュ(マッカールの娘)の密告で共和主義者として逮捕される。 - 『プラッサンの征服』"La Conquête de Plassans", 1874年
政治と宗教の暗躍する地方都市でもあるプラッサンに、謎めいた司祭フォージャ親子が神父のムーレ家に下宿。一家に不気味な暗黒が流れ込む所から物語は始まる。- 小田光雄訳 論創社 2006.10 ※
- 『ムーレ神父のあやまち』"La Faute de l'Abbé Mouret", 1875年
息抜きの一作。狂信的な神父セルジュ・ムーレはパラドゥーで野性的な少女アルビーヌと出会い、愛し合うようになるが、セルジュは信仰に悩み、やがてアルビーヌは死んでゆく。 - 『ウージェーヌ・ルーゴン閣下』"Son Excellence Eugène Rougon ", 1876年
政治家ウージェーヌの活動を通し、第二帝政の内幕とボナパルティスムの実態を露にした政治小説- 小田光雄訳 論創社 2009.3 ※
- 『居酒屋』"L'Assommoir", 1876年
出世作で代表作。パリに出てきた洗濯女ジェルヴェーズ・マッカールが死にものぐるいで働き、自分の店を持つまでになるが、やがて酒におぼれ、破滅してゆくさまを描き、当時のフランス社会に大反響をもたらした。- 古賀照一訳 新潮文庫、改版2006ほか (訳書は多数出版、リンク先参照)
- 『愛の一ページ』"Une page d'amour", 1878年
息抜きの一作。エレーヌ・ムーレは医師と恋に落ちるが、娘のジャンヌはそのために嫉妬に駆られて死んでゆく。パリの情景。- 石井啓子訳 藤原書店 2003.9 ※
- 『ナナ』"Nana", 1879年
ジェルヴェーズの娘アンナが、舞台女優から高級娼婦ナナ(クルチザンヌ)になり、周囲のブルジョワ・貴族たちを次々と破滅させてゆく。(作品中最も日本語訳が多い。以下は現行版のみ、それ以外はリンク先参照)。
プラッサンから出てきたオクターヴ・ムーレが、その周囲のブルジョワ婦人と次々に情交を重ねてゆく。当時のブルジョワの風俗を戯画的に描く。
- 田辺貞之助訳 角川文庫 1958
- 小田光雄訳 論創社 2004.9 ※
前作の主人公オクターヴが経営する近代的百貨店ボヌール・デ・ダームが周囲の小規模な商店を破滅させながら発展してゆく。ドゥニーズ・ボーデュとの恋。
息抜きの一作。ポーリーヌ(リザの娘)が、海辺のまちで健やかに育ち、ひっそりと暮らしてゆく。当時フランスでも隆盛を誇ったショーペンハウアー哲学に対するゾラの文学的回答。
- 生の悦び 中島孤島訳 早稲田大學出版部、1914
- 小田光雄訳 論創社 2006.3 ※
炭坑における労働者の悲惨な生活、その生活苦から労働者が立ち上がりストライキを起こすが、そのストライキが敗北に終わるまでを描いた大作。主人公はジェルヴェーズの息子エチエンヌ・ランティエ。
画家クロード・ランティエは、理想の女を描こうと苦闘するが、やがて敗れて自殺する。妻のクリスティーヌは心を病む。
- 井上勇訳 聚英閣、1922
- 清水正和訳 岩波文庫上下 1999.9、復刊2010
軍隊を退役してきた農民ジャン・マッカールはフーアンの姪フランソワーズと結婚するが、フランソワーズは姉リーズともみ合いになり死に、ジャンは軍隊に戻る。フーアン家の財産争い。
- 犬田卯訳 ゾラ叢書 改造社、1931
- 武林無想庵訳 鄰友社、1940
- 田辺貞之助・河内清共訳 岩波文庫 1953
- 小田光雄訳 論創社 2005.12 ※
息抜きの一作。シドニーの娘アンジェリックが、貴族の息子フェリシアンと恋に落ちる。当初反対していたフェリシアンの父もやがてアンジェリックとの結婚を認めるが、彼女は結婚式の最中に息を引き取る。
- 木村幹訳 新潮社、1929
- 夢想 小田光雄訳 論創社 2004.12 ※
休暇中の機関士ジャック・ランティエは、列車内での殺人を目撃する。ジャックはやがて犯人ルーボーの妻セヴリーヌと情を通じるが、彼女を衝動的に殺害する。
土地投機に失敗したアリスティドは、「ユニヴァーサル銀行」を開業。バブル経済に乗って当初は破竹の勢いを示すが、やがて破綻する。
- 飯田旗軒訳、博文館、1916
- 野村正人訳、藤原書店 2003.11 ※
無学な農民のジャンは軍隊でインテリ青年モーリスと親友になる。普仏戦争の敗北・第二帝政の崩壊、パリ・コミューンの混乱の中で、ジャンはモーリスを殺害してしまう。
- 陥落 渡辺俊夫訳 日本書院、1923
- 難波浩訳 アルス、1941
- 小田光雄訳 論創社 2005.5 ※
パスカル・ルーゴンは故郷のプラッサンで一族の記録をとどめ、新しい遺伝理論の構築をはかる。彼は姪クロチルドと愛し合うが、心臓病で急死する。記録はパスカルの母フェリシテが焼き払う。
- 小田光雄訳 論創社 2005.9 ※
《三都市叢書》
- 『ルルド』"Lourdes", 1894年
- 『ローマ』"Rome", 1896年
- 『パリ』"Paris", 1898年
- 巴里 飯田旗郎訳、共同出版、1908
- 巴里 杉田次郎訳 春陽堂、1933-34
- パリ 竹中のぞみ訳、上下 白水社 2010.11、※新訳版
《四福音書叢書》
- 『豊饒』"Fécondité", 1899年
- 『労働』"Le Travail", 1901年
- 堺利彦訳 叢文閣、1920
- 水上斉訳 天佑社、1923
- 『真理』"La Vérité", 1903年
- 中原光之訳 白水社、1922
- 『正義』"La Justice", 未完作
その他の作品
- 『ニノンへのコント』""Contes à Ninon, 1864年
- 『クロードの告白』"La confession de Claude", 1865年
- 『死せる女の願い』"Le vœu d'une morte", 1866年
- 『マルセイユの秘密』"Les mystères de Marseille", 1867年
- 『テレーズラカン』"Thérèse Raquin", 1867年
- 『マドレーヌ・フェラ』"Madeleine Férat", 1868年
- 『新ニノンへのコント』"Nouveaux contes à Ninon", 1874年
- 『スルディ夫人』"Madame Sourdis", 1880年
- 『ビュルル大尉』"Le Capitaine Burle", 1882年
- 『ナイス・ミクラン』"Naïs Micoulin", 1884年
創作以外
- 『ゾラ・セレクション8.文学論集 1865-1896』 佐藤正年編訳 藤原書店、2007
- 実験小説論 河内清訳 仏蘭西文芸思潮叢書 白水社、1939
- 『セレクション10.時代を読む 1870‐1900』 小倉孝誠・菅野賢治編訳、2002-ジャーナリズム論集(ドレフュス事件ほか)
- 私は告発する 古賀照一訳、新潮社〈新潮世界文学〉所収、1970
- 『セレクション9.美術論集』 三浦篤・藤原貞朗編訳、2010-前期印象派運動を擁護。
- 『セレクション11.書簡集 1858-1902』 小倉孝誠編・解説、2012-※なお未刊は『別巻 「ゾラ・ハンドブック」』。
映像化された作品
- 居酒屋 L'Assommoir (1933)
- 獣人 LA BETE HUMAINE (1938)
- 女優ナナ Nana (1926)、(1955)映画化
- テレーズ・ラカン Thou Shalt Not Therese Raquin (1928)
- 嘆きのテレーズ Therese Raquin (1952)
- 獲物の分け前 La Curée (1966)
- 娼婦ナナ (1981) フランスのTVドラマ作品
- ジェルミナルGerminal (1995)日本公開
関連項目
- 『ゾラの生涯』(The Life of Emile Zola, 1937) アメリカ映画。「ドレフュス事件」を取り扱った映画。
外部リンク
- 伝記。書誌学 (フランス語)
フランスの小説家
イタリア系フランス人
パリ出身の人物
事故死した人物
1840年生
1902年没