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アカデミー外国語映画賞(Academy Award for Best Foreign Language Film)は、アカデミー賞の中の一つ。アメリカ以外の映画で、外国語(英語以外の言語)の映画のための賞。アカデミー賞の他の賞とは違い、アメリカ国内で上映されている必要はない。
外国語映画の表彰は、1947年度から1949年度にかけては「特別賞」の一つとして、1950年から1955年度(1953年度は表彰なし)にかけては「名誉賞」の一つとして行われ、1956年度の第29回から他の賞と同じくノミネート方式の「外国語映画賞」という単独の賞になった。
2006年度の第79回には単独の賞になって50周年を迎え、日本の渡辺謙とフランスのカトリーヌ・ドヌーヴが非英語圏俳優代表として壇上に立ち、これまでの受賞作の歴史を紹介した。
受賞までの流れ
各国から出品
毎年各国から1作品だけ出品できる。出品条件は、制作された国で前年の10月からその年の9月の間に初公開され、少なくとも7日連続で35ミリもしくは70ミリフィルムで劇場にて商業上映された作品であること。アメリカ合衆国国内で上映されている必要はない。作品の適性など何らかの問題が生じた場合は「映画芸術科学アカデミー」が最終決定をする。
日本からの出品作は、社団法人日本映画製作者連盟が選考している。
ノミネート選考
世界各国から出品された作品は、アカデミー賞を審査する「映画芸術科学アカデミー」によって厳選される。第79回(2006年度)からはノミネート発表一週間前に最終候補9作品が発表され、そのうちの5作品が本選にノミネートされるという形式になった。
受賞選考
アカデミーによる上映会が行われ、5本すべての本選ノミネート作品を見たアカデミー会員のみによって投票が行われる。そして、最も多くの票を集めた作品に外国語映画賞が授与される。
受賞作品
1940年代
特別賞
- 1947年(第20回)『靴みがき』ヴィットリオ・デ・シーカ (代表)
- 1948年(第21回)『聖バンサン』モーリス・クローシュ (代表)
- 1949年(第22回)『自転車泥棒』ヴィットリオ・デ・シーカ (代表)
1950年代
名誉賞
- 1950年(第23回)『鉄格子の彼方』ルネ・クレマン (代表)
- 1951年(第24回)『羅生門』黒澤明 (代表)
- 1952年(第25回)『禁じられた遊び』 ルネ・クレマン(代表)
- 1953年(第26回)受賞なし
- 1954年(第27回)『地獄門』衣笠貞之助 (代表)
- 1955年(第28回)『宮本武蔵』稲垣浩 (代表)
外国語映画賞
- 1956年(第29回)『道』フェデリコ・フェリーニ (代表)
- 1957年(第30回)『カビリアの夜』 フェデリコ・フェリーニ (代表)
- 1958年(第31回)『ぼくの伯父さん』ジャック・タチ (代表)
- 1959年(第32回)『黒いオルフェ』マルセル・カミュ (代表)
1960年代
- 1960年(第33回)『処女の泉』イングマール・ベルイマン (代表)
- 1961年(第34回)『鏡の中にある如く』 イングマール・ベルイマン (代表)
- 1962年(第35回)『シベールの日曜日』セルジュ・ブールギニョン (代表)
- 1963年(第36回)『8 1/2』 フェデリコ・フェリーニ (代表)
- 1964年(第37回)『昨日・今日・明日』 ヴィットリオ・デ・シーカ (代表)
- 1965年(第38回)『大通りの店』ヤン・カダール (代表)
- 1966年(第39回)『男と女』クロード・ルルーシュ (代表)
- 1967年(第40回)『運命を乗せた列車』イジー・メンツェル (代表)
- 1968年(第41回)『戦争と平和』セルゲイ・ボンダルチュク (代表)
- 1969年(第42回)『Z』コンスタンタン・コスタ=ガヴラス (代表)
1970年代
- 1970年(第43回)『殺人捜査』エリオ・ペトリ (代表)
- 1971年(第44回)『悲しみの青春』 ヴィットリオ・デ・シーカ (代表)
- 1972年(第45回)『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』ルイス・ブニュエル (代表)
- 1973年(第46回)『映画に愛をこめて アメリカの夜』フランソワ・トリュフォー (代表)
- 1974年(第47回)『フェリーニのアマルコルド』 フェデリコ・フェリーニ (代表)
- 1975年(第48回)『デルス・ウザーラ』黒澤明 (代表)
- 1976年(第49回)『ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー』ジャン=ジャック・アノー (代表)
- 1977年(第50回)『これからの人生』モーシェ・ミズラヒ (代表)
- 1978年(第51回)『ハンカチのご用意を』ベルトラン・ブリエ (代表)
- 1979年(第52回)『ブリキの太鼓』フォルカー・シュレンドルフ (代表)
1980年代
- 1980年(第53回)『モスクワは涙を信じない』ウラジーミル・メニショフ (代表)
- 1981年(第54回)『メフィスト』イシュトヴァン・サボー (代表)
- 1982年(第55回)Volver a Empezarホセ・ルイス・ガルシ (代表)
- 1983年(第56回)『ファニーとアレクサンデル』イングマール・ベルイマン (代表)
- 1984年(第57回)La Diagonale du fouリシャール・デンボ (代表)
- 1985年(第58回)『オフィシャル・ストーリー』ルイス・プエンソ (代表)
- 1986年(第59回)『追想のかなた』フォンス・ラデメーカーズ (代表)
- 1987年(第60回)『バベットの晩餐会』ガブリエル・アクセル (代表)
- 1988年(第61回)『ペレ』ビレ・アウグスト (代表)
- 1989年(第62回)『ニュー・シネマ・パラダイス』ジュゼッペ・トルナトーレ (代表)
1990年代
- 1990年(第63回)『ジャーニー・オブ・ホープ』ザヴィアー・コラー (代表)
- 1991年(第64回)『エーゲ海の天使』ガブリエレ・サルヴァトレス (代表)
- 1992年(第65回)『インドシナ』レジス・ヴァルニエ (代表)
- 1993年(第66回)『ベル・エポック』フェルナンド・トルエバ (代表)
- 1994年(第67回)『太陽に灼かれて』ニキータ・ミハルコフ (代表)
- 1995年(第68回)『アントニアの食卓』マルレーン・ゴリス (代表)
- 1996年(第69回)『コーリャ 愛のプラハ』ヤン・スヴェラーク (代表)
- 1997年(第70回)『キャラクター/孤独な人の肖像』マイケ・ファン・ディム (代表)
- 1998年(第71回)『ライフ・イズ・ビューティフル』ロベルト・ベニーニ (代表)
- 1999年(第72回)『オール・アバウト・マイ・マザー』ペドロ・アルモドバル (代表)
2000年代
- 2000年(第73回)『グリーン・デスティニー』アン・リー (代表)
- 2001年(第74回)『ノー・マンズ・ランド』ダニス・タノヴィッチ (代表)
- 2002年(第75回)『名もなきアフリカの地で』カロリーヌ・リンク (代表)
- 2003年(第76回)『みなさん、さようなら』ドゥニ・アルカン (代表)
- 2004年(第77回)『海を飛ぶ夢』アレハンドロ・アメナバル (代表)
- 2005年(第78回)『ツォツィ』ギャヴィン・フッド (代表)
- 2006年(第79回)『善き人のためのソナタ』フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク (代表)
- 2007年(第80回)『ヒトラーの贋札』シュテファン・ルツォヴィツキー (代表)
- 2008年(第81回)『おくりびと』滝田洋二郎 (代表)
- 2009年(第82回)『瞳の奥の秘密』ファン・ホセ・カンパネラ (代表)
2010年代
- 2010年(第83回)『未来を生きる君たちへ』スサンネ・ビア (代表)
- 2011年(第84回)『別離』アスガル・ファルハーディー (代表)
日本からの出品作とその結果
- 1956年『ビルマの竪琴』市川崑 - 本選ノミネート
- 1957年『あらくれ』成瀬巳喜男
- 1958年『楢山節考』木下惠介
- 1959年『野火』市川崑
- 1960年『秋日和』小津安二郎
- 1961年『永遠の人』木下惠介 - 本選ノミネート
- 1962年『私は二歳』市川崑
- 1963年『古都』中村登 - 本選ノミネート
- 1964年『砂の女』勅使河原宏 - 本選ノミネート
- 1965年『怪談』小林正樹 - 本選ノミネート
- 1966年『湖の琴』田坂具隆
- 1967年『智恵子抄』中村登 - 本選ノミネート
- 1968年『黒部の太陽』熊井啓
- 1969年『神々の深き欲望』今村昌平
- 1970年『無頼漢』篠田正浩
- 1971年『どですかでん』黒澤明 - 本選ノミネート
- 1972年『軍旗はためく下に』深作欣二
- 1973年『戒厳令』吉田喜重
- 1974年『化石』小林正樹
- 1975年『サンダカン八番娼館 望郷』熊井啓 - 本選ノミネート
- 1976年 - 出品申請なし
- 1977年『八甲田山』森谷司郎
- 1978年『愛の亡霊』大島渚
- 1979年『月山』村野鐵太郎
- 1980年『影武者』黒澤明 - 本選ノミネート
- 1981年『泥の河』小栗康平 - 本選ノミネート
- 1982年『鬼龍院花子の生涯』五社英雄
- 1983年『南極物語』蔵原惟繕
- 1984年『瀬戸内少年野球団』篠田正浩
- 1985年『花いちもんめ』伊藤俊也
- 1986年『キネマの天地』山田洋次
- 1987年『女衒』今村昌平
- 1988年『ダウンタウン・ヒーローズ』山田洋次
- 1989年『利休』勅使河原宏
- 1990年『死の棘』小栗康平
- 1991年『八月の狂詩曲』黒澤明
- 1992年『女殺油地獄』五社英雄
- 1993年『まあだだよ』黒澤明
- 1994年『平成狸合戦ぽんぽこ』高畑勲
- 1995年『深い河』熊井啓
- 1996年『学校II』山田洋次
- 1997年『もののけ姫』宮崎駿
- 1998年『愛を乞うひと』平山秀幸
- 1999年『鉄道員(ぽっぽや)』降旗康男
- 2000年『雨あがる』小泉堯史
- 2001年『GO』行定勲
- 2002年『OUT』平山秀幸
- 2003年『たそがれ清兵衛』山田洋次 - 本選ノミネート
- 2004年『誰も知らない』是枝裕和
- 2005年『血と骨』崔洋一
- 2006年『フラガール』李相日
- 2007年『それでもボクはやってない』周防正行
- 2008年『おくりびと』滝田洋二郎 - 本選受賞
- 2009年『誰も守ってくれない』君塚良一
- 2010年『告白』中島哲也
- 2011年『一枚のハガキ』新藤兼人
備考
英語圏からの出品
アメリカ以外の英語圏の国からも、英語以外の言語の作品が出品されている。以下は主なもの。
- イギリス
- オーストラリア
- カナダ
- フランス語 - 第76回受賞『みなさん、さようなら』(2003年) - フランス語を公用語としているケベック州が舞台
- ヒンディー語 - 第79回ノミネート『ウォーター』(2005年) - インド出身でカナダ在住の監督による
- フランス語・イヌクティトゥット語 - 第81回出品『生きるために必要なこと』(2008年)
- フランス語・アラビア語 - 第83回ノミネート Incendies - レバノン出身カナダ在住のワジディ・ムアワッド作の舞台の映画化
他の賞にもノミネートされた作品
外国語映画賞以外のアカデミー賞の部門には「ロサンゼルス郡で1週間連続ロードショーされた作品が対象」というノミネート条件がある。したがって、外国語映画賞へ出品された作品も、上記の条件を満たしていれば他の賞へエントリーされることができる。そのため、外国語映画賞本選ノミネート作品の中には、他の賞にもノミネートされた作品がある。以下、その主な作品例を挙げる。
- 道 (1954年、イタリア)
- :第29回 外国語映画賞 受賞
- :第29回 脚本賞 ノミネート
- 8 1/2 (1963年、イタリア)
- :第36回 外国語映画賞 受賞
- :第36回 衣装デザイン賞 受賞/監督賞・脚本賞・美術賞 ノミネート
- 男と女 (1966年、フランス)
- :第39回 外国語映画賞 受賞
- :第39回 脚本賞 受賞/主演女優賞(アヌーク・エーメ)・監督賞 ノミネート
- Z (1969年、アルジェリア)
- :第42回 外国語映画賞 受賞
- :第42回 編集賞 受賞/作品賞・監督賞・脚色賞 ノミネート
- チャイコフスキー (1970年、ソ連)
- :第44回 外国語映画賞 ノミネート
- :第44回 音楽(編曲・歌曲)賞 ノミネート
- 悲しみの青春 (1971年、イタリア)
- :第44回 外国語映画賞 受賞
- :第44回 脚色賞 ノミネート
- セブン・ビューティーズ (1976年、イタリア)
- :第49回 外国語映画賞 ノミネート
- :第49回 主演男優賞(ジャンカルロ・ジャンニーニ)・監督賞・脚本賞 ノミネート
- さよならの微笑 (1976年、フランス)
- :第49回 外国語映画賞 ノミネート
- :第49回 主演女優賞(マリー=クリスティーヌ・バロー)・脚本賞 ノミネート
- 特別な一日 (1977年、イタリア)
- :第50回 外国語映画賞 ノミネート
- :第50回 主演男優賞(マルチェロ・マストロヤンニ) ノミネート
- ファニーとアレクサンデル (1982年、スウェーデン)
- :第56回 外国語映画賞 受賞
- :第56回 撮影賞・美術賞・衣装デザイン賞 受賞/監督賞・脚本賞 ノミネート
- さよなら子供たち (1987年、フランス)
- :第60回 外国語映画賞 ノミネート
- :第60回 脚本賞 ノミネート
- カミーユ・クローデル (1988年、フランス)
- :第62回 外国語映画賞 ノミネート
- :第62回 主演女優賞(イザベル・アジャーニ) ノミネート
- シラノ・ド・ベルジュラック (1990年、フランス)
- :第63回 外国語映画賞 ノミネート
- :第63回 衣装デザイン賞 受賞/主演男優賞(ジェラール・ドパルデュー)・美術賞・メイクアップ賞 ノミネート
- インドシナ (1992年、フランス)
- :第65回 外国語映画賞 受賞
- :第65回 主演女優賞(カトリーヌ・ドヌーヴ) ノミネート
- さらば、わが愛/覇王別姫 (1993年、香港)
- :第66回 外国語映画賞 ノミネート
- :第66回 撮影賞 ノミネート
- セントラル・ステーション (1998年、ブラジル)
- :第71回 外国語映画賞 ノミネート
- :第71回 主演女優賞(フェルナンダ・モンテネグロ) ノミネート
- グリーン・デスティニー (2000年、台湾)
- :第73回 外国語映画賞 受賞
- :第73回 撮影賞・作曲賞・美術賞 受賞/作品賞・監督賞・脚色賞・歌曲賞・衣装デザイン賞・編集賞 ノミネート
- みなさん、さようなら (2003年、カナダ)
- :第76回 外国語映画賞 受賞
- :第76回 脚本賞 ノミネート
- パンズ・ラビリンス (2006年、メキシコ)
- :第79回 外国語映画賞 ノミネート
- :第79回 撮影賞・美術賞・メイクアップ賞 受賞/脚本賞・作曲賞 ノミネート
- 白いリボン (2009年、ドイツ)
- :第82回 外国語映画賞 ノミネート
- :第82回 撮影賞 ノミネート
上記の例は同年に外国語映画賞と他部門にノミネート・受賞した作品のみである。しかし、外国語映画賞にノミネートされた後の別の年に「ロサンゼルス郡~ロードショーされた作品が対象」のノミネート条件を満たせば、(外国語映画賞とは違う年の)他部門にノミネートされることも可能である。以下はその主なもの。
- シベールの日曜日 (1962年、フランス)
- :第35回 外国語映画賞 受賞
- :第36回 脚色賞・音楽(編曲賞) ノミネート
- 砂の女 (1964年、日本)
- :第37回 外国語映画賞 ノミネート
- :第38回 監督賞 ノミネート
- フェリーニのアマルコルド (1973年、フランス)
- :第47回 外国語映画賞 受賞
- :第48回 監督賞・脚本賞 ノミネート
関連項目
外部リンク